航空ファンによる航空・旅行ブログ

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【NH1864沖縄那覇=仙台搭乗記】航空事故を経験したJA610Aに搭乗。

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回は特典航空券で最後のフライト(6フライト目)である那覇空港から仙台空港までのNH1864便の搭乗記を書いていきます。

 前の記事↓

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旅行記のまとめはこちら↓(※かなりカオスです)

airplanelove.hatenablog.jp

それではよろしくお願いします。

ANAの国内線で4番目の長さ

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搭乗口36番からNH1864便仙台空港行きは出発します。那覇から仙台までは1130マイル(約1800km)もあり、ANAの国内線では那覇=千歳、東京=新石垣、東京=宮古に続く4番目の長さを誇ります。

沖縄滞在2時間弱は勿体無い気がしましたが、意外と楽しめました。

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使用機材は中型機のB767-300ERです。那覇から仙台まで中型機を毎日飛ばすって相当の需要が無いとできない事だと思います。法人契約とかあるんでしょうかね。

そして本日アサインされた機体はJA610Aです。この機体はかつて、国際線で運用されていました。そして国際線で運用されていた頃、成田空港で着陸の接地動作の際、バウンド並びに前輪からの激しい接地により機体に損傷が生じた他、乗客乗員193名の内、客室乗務員4名が軽傷を負う航空事故を経験した機体です。

事故調査報告書によると事故の原因は、強風により姿勢が安定せずフレアと呼ばれる機首上げの動作が適切に行われなかったことによるものとされています。また報告書では、「滑走路末端を通過後機首が大きく下がった時点で、進入を継続すべきでは無かった」として、報告書としては稀なパイロットの過失をきっぱりと指摘したものでした。

それでは、航空事故を克服したJA610Aの機内を見ていきましょう。

やっぱリニューアル席は快適だぜ!

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座席はリニューアルを施したので事故当時の物とは大きく異なり、USBもついた新しい座席に更新されています。

搭乗率は往路の東京便より低く、機内は空席がよく目立ち観光客は居たものの子供連れは少なかったと記憶しています

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隣からは福岡行きのボーイング737-800が先にプッシュバックを開始しました。この福岡行きがプッシュバックをするちょっと前に「バリバリバリ」と爆音を轟かせて離陸する戦闘機が2機続けて見えました。

訓練なのか、スクランブルなのか、ホットスクランブルなのかは分かりませんが、那覇空港自衛隊海上保安庁の基地があったり、近くには米軍の嘉手納基地があります。RWY36から離陸する航空機は離陸後に嘉手納基地の空域と干渉するので、米軍が空域を使用している際は、民間機が確か1000ftくらいの非常に低い高度を維持することになります。

高度制限があるときは離陸直後に出力を絞るので、事情を知らない人は「トラブル?!」ってパニックになりそうです。(1000ftなんて、離陸直後に達してしまいますからね)

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吹流しをみるとすっごく風が強いことが分かります。着いたあとに離陸時のMETARを見てみたんですが、この時の風は22kt(風速約10m)でした。まあ、ランウェイヘディングからの風なので煽られるとか、欠航になることは無いだろうと思っていました。

ただ、奥の海を見ると白波が立っていることが分かりますね。

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滑走路の端から端までの地上走行だったので、ずーっとタラタラ進んでいましたがRWY36の末端に着いた時にも前方には先にプッシュバックした福岡行きのB3がいます。

順番はジェットスターの着陸の後、福岡行きのB3が離陸して、その後香港航空が着陸して、そしてNH1864って感じでした。

滑走路手前で香港航空を激励

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デモと中国資本ってこともあっていろいろと大変だと思いますが、サービスの内容自体は素晴らしいコスパなので経営状態が元に戻ったらば、乗りたいと思います。

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「おいおいまだ自衛隊の格納庫見てないぞ」ってほど早めのエアボーン。

やっぱり向かい風が強くて乗客も少なかったので重量が軽かったことがあってか、あっという間に浮遊し機首を上げるペースが早かったと思います。離陸後に重力に押し潰されそうな感覚を強く感じました。

例えば、機首上げをする速度が対気速度で150kt(約270km/h)だとして、向かい風が25ktだとします。そうすると対地速度が125ktの時にもう機首上げができることになります。つまり、向かい風が25ktあると無風時と比べて25kt(約50km/h)加速する時間だけ早く浮くってことです。

 

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海上巡航中は雲が広がっており、つまらない機窓が続きましたが、ここに来て雲に隙間が出てきました。

和歌山県の串本辺りから上陸し仙台に向けて飛行します。上陸してしばらくたったらば降下を開始します。前線の関係か降下時はかなり揺れていました。

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シートベルト着用サインを点灯させながら降下していきます。

降下中には、群馬県福島県の山々が雲の中からうっすらと見えました。全体的には雪が少なく山肌がよく見えた感じです。だんだん日が陰ってきて夕日が翼を照らします。

仙台に行くのに太平洋に出るって何事?!

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NH1223便の搭乗記でも書きましたが、仙台空港では市街地への騒音軽減のため可能な限り海側から進入し、海側に向かって離陸するようにお達しが出ています。(優先滑走路方式と言う)

今回は離陸前に調べた情報をもとに、風向きからして海側からの進入で間違いないだろうと思っていたので、降下が遅いことは想定していたんですが、一旦ぐいっと降下して水平になってから一向に高度を下げようとしません。

海側からの進入なので、一度陸地を離れ太平洋へと出ます。

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太平洋に出たらば一気に速度を絞り降下していきます。

翼から展開しているのは、スポイラーと呼ばれるもので、これを展開する事で翼表面の揚力を打ち消し、揚力を無くします。そうすることで、機首を下に向けなくても降下できます。

機首を下に向けなければ増速しないので、短い距離で一気に降下することができます。(なので、市街地では高高度を飛行し海に出てから一気に降下する仙台空港では写真のようにスポイラーを展開させたと思われます。)

スポイラーが展開している辺りの翼上面は、局地的な失速状態にあります。なので、スポイラーが展開させている間はガタガタ揺れて風切り音が大きくなります。

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こんな感じてグルッと旋回した後に着陸します。

 

海岸を眺めながら着陸

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旋回し終えたらば着陸は目前です。着陸滑走路はRWY27で到着ゲートは4番。

仙台空港は、主に民間機が使うRWY09/27(3000m)と、自衛隊や訓練機が使うRWY12/30(1200m)が交差している交差滑走路です。交差滑走路を使用する際は、自機が使用する滑走路と交差している滑走路の2本が空いている必要があります。

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これが交差滑走路のRWY12/30です。夜の滑走路とか誘導路は航空灯火できれいに輝いています。この光のひとつひとつにはとても大切な役割があります。

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つい2週間くらい前に新千歳に向けて飛び立った仙台空港に舞い戻ってきました。その間に4フライト、札幌、大阪、ソウル(韓国)、名古屋、東京、沖縄の6都市(仙台を拠点として)を訪れることができました。

ただ飛行機に何時間も乗るだけだと流石につまんなくなったり疲れますが、このレベルまで行くと「1回の旅で札幌と沖縄行って、韓国までも行くとかヤバすぎ」とか、「やり遂げた!」って思えます。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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