あけましておめでとうございます
本日は2022年1月1日、元日です。
現在の時刻は午前2時50分、千葉県成田市・成田国際空港第1ターミナルに来ています。
本日はANAが行う2022年初日の出フライトに搭乗します。使用機材は日本国内ではANAのみが保有する世界最大の旅客機・エアバスA380-800型機、JA381Aです。
- NH2030初日の出フライトの旅程
- 【謹賀新年】元旦の成田空港より出発
- 午前4時30分、搭乗開始
- 午前6時00分、離陸
- 午前6時30分、旋回開始
- 午前6時42分、日の出
- 午前7時05分、TENRU離脱
- 午前7時40分、降下開始
- 午前8時11分、着陸
- 午前8時45分、写真撮影
- 午前9時00分、解散
- ご挨拶、フライトや編集の裏話など
NH2030初日の出フライトの旅程
搭乗記の前に、本日の旅程についてご紹介します。
まず、本日搭乗する機体はANAのエアバスA380型機、フライングホヌです。
エアバスA380型機は総二階建て世界最大の旅客機であり、ANAの場合はファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの設備で、総座席数は520席です。
続いて飛行ルートと主な予定時刻です。
今回の初日の出フライトはANA X株式会社が催行する募集型企画旅行、つまり旅行商品として扱われます。そのため通常のフライトとは異なる形式で運航されます。
午前3時から4時半にかけて第1ターミナルの国内線カウンターでチェックイン、午前5時半ごろ車輪止めを外して駐機場を出発、午前6時を過ぎてから離陸、間もなくして初日の出鑑賞ポイント(長野県上空)に到着・遊覧、午前8時30分ごろ出発地・成田国際空港に戻ってくる予定です。
それでは大変お待たせしました。
2022年フライングホヌ初日の出フライトの搭乗記をお楽しみください。
【謹賀新年】元旦の成田空港より出発
あけましておめでとうございます
新年早々「航空ファンによる航空・旅行ブログ」をご覧いただきありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
午前2時50分ごろ成田空港第1ターミナルの到着ロビーに入り、ANA国内線チェックインカウンター付近に向かうと、すでに多くの搭乗客が午前3時のチェックイン開始を待っていました。
まもなくしていつものチャイムと共に、フライングホヌ初日の出フライトのチェックイン開始がアナウンス。
新年の挨拶があった後、これからチェックイン業務を担当するスタッフが一列に並びます。
本来なら静まりかえっているはずの深夜の第1ターミナル、元旦は初日の出フライトに搭乗する乗客とスタッフが集まり、華やかな雰囲気です。
チェックインカウンターはいくつかのグループに分けられていて、効率よく進んでいきます。
搭乗券とWi-Fiパスワード(クーポン)の交付、感染防止対策の説明がありました。そのあと保安検査場に向かう途中で、フライングホヌのぬいぐるみを事前購入した人に手渡す場所がありました。
座席は当日知らされるため、どこになるのかワクワクしながらチェックイン。
指定された座席は70番台のA席、座席番号70番台はA380以外あり得ない数字なので、改めてでかい飛行機だなと感じます。
またフライングホヌの1階席は全てエコノミーなのですが、後方はカウチシートになっています。今回はそのカウチシートのエリアになります。(カウチシートについては後述)
ちょっと乗り得ですかね。
こちらが搭乗券です。右の半券は搭乗口通過の際に回収されたのでもう手元にありません。
この日のためだけにデザインさせた搭乗券には、便宜上の便名(NH2030便)や「成田発成田着」の表記、あとフライングホヌ(ラー)が描かれています。
チェックインの際に記念品をもらいました。
中身は搭乗証明証、翼の王国1月号、コロンバン、ラーの風船、ハンドジェルケース、マグカップでした。
翼の王国1月号は毎年恒例平子社長の挨拶から始まり、平子社長と日本航空赤坂社長との「2050年航空輸送におけるCO2排出実質ゼロ」に関する対談が掲載されていました。
午前4時30分、搭乗開始
見えにくいですが奥の時計では午前3時04分を示しています。一番乗りで保安検査場を通過しました。保安検査場通過は早ければ早い方がいいです。
保安検査場を通過した後の待合室では、着物姿の職員が乗客らの写真撮影を手伝う姿が常に見られました。おそらく元旦に一番多く記念写真を撮った功労者でしょう。お疲れ様です。
午前3時40分ごろ、フライングホヌ初日の出フライトの運航乗務員(パイロット)が到着、5分後には客室乗務員が到着、2台のランプバスで一足早く機体に向かいました。
搭乗開始予定時刻の午前4時30分が迫るとグランドスタッフが慌ただしく動き始めます。搭乗口は国内線B・C、オープンスポットまで向かうランプバスに乗車です。
午前4時33分にグループ1番の乗客が搭乗を始めました。その後、午前4時40分にグループ2が搭乗開始したので搭乗口を通過しました。
成田空港第1ターミナル国内線BC搭乗口の行先表示板に示されている目的地は「成田」
周遊フライトならではの表示です。
ランプバスは座席が全て埋まるくらいの乗車率で出発、翼を休めるピーチ機などを横目に、総二階建てエアバスA380、JA381Aへと向かいます。ターミナルの出発は午前4時45分ごろです。
出発待機中の車内でスタッフから写真撮影の時間が限られていることがアナウンスされました。これは逆に言えば少しの間なら撮影できるという意味です。
先行するバスの移動が終わると、横付けをするように到着です。本日搭乗するエアバスA380、フライングホヌと対面です。
奥にはJA382A、フライングホヌ2号機が駐機しています。
エンジンはロールスロイス社製Trent970です。
航空会社は、機種とは別にエンジンの会社を選ぶことができるのですが、A380においてはロールスロイス社製のエンジンが世界的に主流です。
搭乗すると客室乗務員が「あけましておめでとうございます」とあいさつ、機内はお正月の装飾がされています。
エコノミーは3+4+3の横10席、シートモニターはエコノミークラスとして世界最大の13.3インチ、iPadよりも大きなサイズです。
そしてこちらがカウチシート。
カウチも座席配置は変わらず3+4+3の横10列ですが、巡航中座席下からレッグレストのようなものを取り出して完全に横になることができます。(今回のフライトでは横になる余裕はありませんでした)
カウチシートの乗客が搭乗し終わった頃に客室乗務員からアナウンス。
座席下にある赤い紐は救命胴衣を取り出すためのものなので、緊急時以外は絶対に引っ張らないでくださいとのこと。たしかに引っ張りたくなる見た目ですが、救命胴衣を元に戻す作業は航空整備士しか行えないので意外と大ごとになってしまいます。
着席して一番びっくりしたことは窓との距離です。他機種と比べて広く感じました。
2階席は窓と座席の間に物入れがあるらしいです。
午前5時15分にはL2ドアのタラップが外れました。ゆっくり搭乗を行っていたのでいつ搭乗が終わったのかわかりませんでした。
ドアモードの変更は午前5時28分ごろ、35分ごろにプッシュバックを開始します。
午前6時00分、離陸
東向きにプッシュバックするとエンジンを始動、機内には燃焼されたケロシンのにおいが漂うとともに、歌舞伎から一新された安全ビデオが放映。ANAの社員が企画・撮影・編集を手がけたそうです。
運航乗務員は機長2名のダブルキャプテン体制で運航されます。客室乗務員は22名、乗務員だけで学級ができてしまうくらいの人数です。
フライングホヌ初日の出フライトは T, ROUTE2 (S7, K, A誘導路)の順に地上走行、日本の玄関口・成田国際空港の滑走路運用開始時刻は午前6時ちょうど。
昨年は色々トラブルがあったようですが、今年はここまですべて順調にきています。
午前5時53分、飛行場管制席の指示により、滑走路34レフトに進入し待機します。
午前5時58分に間隔をゆっくり開けた4チャイムがされた後、客室乗務員が離陸のアナウンスをします。
そして午前6時ちょうど、飛行場管制席から離陸を許可されたフライングホヌ初日の出フライトは、ゆっくり、静かに加速、4kmある滑走路の半分を過ぎたあたりで飛び立ちました。
2022年の成田空港1番機です。
シートモニターではもちろんマップが見られます。
離陸後は成田飛行場管制席から東京出域管制席へと移管。元日は""Happy New Year""の交信がまめに聞けます。利根川上空で右旋回、上昇しつつ針路を富士山方面へと向けます。
離陸後には全日本空輸(ANA)の平子裕志社長の音声メッセージが再生されました。
メッセージでは社員の発案で21年前に始まった初日の出フライトへの想いや搭乗証明証のサインを書いたことが伝えられました。
その後、午前6時13分ごろ操縦室からアナウンスがあり、まもなく鑑賞ポイントTENRU(長野県伊那市上空)に到着することが案内されました。
このあたりで真っ暗だった空がオレンジ色に染まり始めました。
鑑賞ポイントに着くか着かないかというところで、特製のおせち風機内食が提供されます。みなさん早朝(というより深夜)の起床、あるいは睡眠を取らずに参戦して若干疲れているかもしれませんが、上空5,000メートルで富士山を眺めながら優雅な朝食を楽しめたのではないでしょうか。
私は機窓を楽しみ過ぎてご飯を食べる時間がありませんでした。
午前6時30分、旋回開始
午前6時30分、離陸から約30分でフライングホヌ初日の出フライトは、鑑賞ポイントTENRUに到着。
航空管制官から高度18,000フィートへの降下指示が発出され、20,000フィートから降下、同時にTENRUでの旋回指示も発出されました。
TENRUポイントでは計4機が旋回していました。高度が高い順に、羽田からエアドゥのB737、成田からANAのA380、関空からJ-AirのE170、羽田からANAのB787が日の出の瞬間を待っています。
もうひとつ、ALPUSポイントで旋回している航空機も3機あり、高度が高い順に中部から日本トランスオーシャン航空のB737、羽田からJALのA350、中部からフジドリームエアラインズのE175が日の出を待っています。
この他、羽田からソラシドエアのB737、中部からANAのB737が静岡空港上空、羽田からANAのA321、成田からJALのB767が房総半島上空で日の出を待っています。
右側、左側の両方に座っている乗客が初日の出を見られるように、フライングホヌはTENRUを中心として右旋回し続けます。
日の出の午前6時42分が近づくと機内は照明を最小まで落とし、撮影しやすい環境になりました。TENRUで合計4周したのですが、旋回するごとに太陽の位置が変わっていくので、写真を撮る手を休める暇がありません。
午前6時42分、日の出
上空で静かに、しかし、たくましく動くTrent970が初日の出の陽光を浴びて輝いています。
日の出を家族とよろこぶ人、写真を撮る人、拝む人、機内は独特の空気に包まれています。
2022年が良い年になりますように・・・
午前7時05分、TENRU離脱
午前7時を過ぎると、フライングホヌ初日の出フライトを始め、旋回していた航空機が一気に散らばっていきます。旋回中の高度18,000フィートを離れ、高度23,000フィートまで上昇します。
ソラシドエアとフジドリームエアラインズを除いた全てのフライトは各出発地に戻ります。上の画像は羽田空港発着のANA初日の出フライトです。
午前7時19分、フライングホヌ初日の出フライトは静岡県と愛知県の県境あたりから太平洋に出ます。機内では2度目のドリンクサービスが始まります。
メニュー表の写真を撮り損ねてしまったのですが、通常のドリンクとお酒があったと思います。アップルジュース信者なので例に漏れず初日の出フライトでもアップルジュースをお願いしました。
成田に向かっている途中、機内の照明がレインボーに変わりました。機内の照明は客室乗務員が種類・明るさを操作できるようになっています。
日本では虹は7色だとされていますが、フライングホヌが就航するハワイでは6色だとされているので、ホヌのレインボーは6色になっています。
午前7時40分、降下開始
束の間の周遊を終え、これより着陸に向けて降下していきます。
航空管制官から通報された着陸予定滑走路は34レフト、RUTAS T ARRIVALでの飛行とそれに則り11,000フィートへの降下も指示されました。
午前7時55分にシートベルト着用サインが点灯、直後に何かにつかまらないと立っていられないくらいの乱気流がありました。客室乗務員は少し慌ただしく着陸に向けての安全確認を行います。
陸地が近づくとフラップを展開させ、車輪を降ろします。成田空港では陸地の上を飛行する前に車輪を降ろすきまりになっています。
約2時間前に交信した成田飛行場管制席と再び交信。先行する着陸機がいるため進入継続の指示が発出されました。
最終進入上はずっと揺れていました。
先行する着陸機が滑走路を離脱すると飛行場管制席から着陸許可が発出されました。風は西北西から7ノット(3.5メートル)、左側からの横風なので機首を左に向けるクラブで進入します。
本来なら滑走路が画面の真ん中にくるはずなのに、右側によっているところからクラブをとっていることがわかります。
機内からひこうきの丘で飛行機を見ている人が見えました。みなさんの目当てが初日の出なのか、フライングホヌなのかはわかりませんが、ひこうきの丘は今では舗装された駐車場が整備され、こども連れでも行きやすい場所になっています。
午前8時11分、着陸
飛行時間およそ2時間10分の初日の出フライトは、午前8時11分ごろ、成田国際空港に戻ってきました。最大まで展開されたフラップとスポイラーは、もはや壁のような迫力です。
しっかり接地したあと機首を滑走路と垂直に向けるためラダー(垂直尾翼)を扱った関係で、右に左に振られる着陸滑走です。
A5を右折して滑走路34レフトを離脱、駐機場へと向かいます。
(^_^)
フライングホヌ2号機カイくんが待つ駐機場に帰ってきました。すっかり日が昇り、空は雲ひとつない快晴です。
マーシャラーが高所作業車のような車に乗って誘導している姿が機外カメラから見えました。曲がる際の抵抗が大きいのか、エンジンの回転数が上がっていました。
午前8時20分、ブロックイン・到着です。降機は2階席の乗客からなので、1階席の我々はしばらく待機です。午前8時30分に2階席の乗客が降機を始め、40分に1階席の乗客が降機し始めました。
午前8時45分、写真撮影
タラップ車で降機すると搭乗時と同様にカラーコーンで囲われた広い空間があり、そこの範囲内であれば自由に写真撮影できました。隣には2号機カイくんが駐機しています。
午前9時00分、解散
写真撮影もほどほどにしてランプバスに乗り込み、第1ターミナルに向かいます。乗客のみが立ち入れるエリアを出た瞬間がツアー終了だったはず、バゲージクレームをスルーして到着口から出たときの時間は午前9時ちょうど。
長いようであっという間だった約6時間の初日の出フライトの一連の旅程は無事終了しました。
ご挨拶、フライトや編集の裏話など
2022年初日の出フライトの当選通知メールが届いたのは昨年12月1日のことでした。
実はそのメールが届いて購入したその時から、初日の出フライト搭乗記は書き始めていました。搭乗前に書いていたのは、初日の出フライトに乗っていなくても書ける初めのご挨拶と旅程の部分です。
大晦日は午後8時頃に就寝して、元日は午前1時30分に起床。今回搭乗した乗客の中には大晦日から寝ずにそのまま参加した人もいるかもしれません。
ただ、もし皆さんが今後初日の出フライトに搭乗するとなった時は、いつもと同じ睡眠時間を確保することを強くお勧めします。
機内には飛行機酔いをしてしまった方が複数名いらっしゃいました。原因が睡眠不足かはわかりませんが、慣れない行動をするというのと、あとは日の出の瞬間に寝落ちする重大インシデントを防止するために、しっかり寝ることをおすすめします。
あとはテレビの取材が2社ありました。記者が飛行機好きでなかったら、元日の3時から飛行機乗ることはつらそうだな...と感じました。
搭乗率は意外と低かったです。カウチシートエリアの中央4席はほとんど空席でした。周囲の搭乗率は7割弱といった感じです。
新春早々、当ブログの記事を最後までご覧いただきありがとうございます。
今後も皆さんに読んでよかった!と思っていただける記事の作成を心がけて参りますので、本年もご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
2022年 元旦 フライングホヌ機内より
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