皆さんこんにちは。
楽しくヒコーキです。
今回は、航空会社で大成功をおさめている中東御三家の異名も持つ、カタールの「カタール航空」、UAEのアブダビを拠点にしている「エティハド航空」、同じくUAEのドバイを拠点にしている「エミレーツ航空」がどうして成功しているのかについて、僕なりに分析したことを書いていきます。
それではよろしくお願いします。
中東御三家を超すことはできない
中東御三家の航空会社、カタール航空、エティハド航空、エミレーツ航空は最新機材や超大型機材を導入しています。今年ANAが導入した量産機で世界最大の旅客機であるエアバスA380の保有数は、中東御三家合わせて約130機にものぼります。
このエアバスA380型機1機のカタログ価格は4億3260万ドル (約470億円)です。470×130+億円=……
大量発注ということもあり、カタログ価格からはかなり安く売られているとは思いますが、それを考えてもこんな大金どこから出てくるんだと感じてしまうほどの価格になります。
さらに、エミレーツ航空の機内にはファーストクラス客向けのシャワーまであるなど、機内の設備にもお金をかけています。
この金銭面は、すぐに想像がつくようにオイルマネーで賄われています。とにかく金持ちなので、資金はすべてそこから出ています。
しかし、中東御三家が成功している理由はオイルマネーだけではありません。仮にANAやJALが同じく大金を使って、機材の大型化やサービスの向上をやっても成功しないでしょう。
ここからはオイルマネー以外の中東御三家が成功している理由について書いていきます。
キーワードは莫大な土地、大きな空港
今の日本では空港を開港しようとすると、周辺自治体から反対の声が必ず上がります。世の中に絶対にはなかなかありえませんが、これについては絶対です。
騒音や落下物など、飛行機の現実を知らな過ぎだろと思うような反対の声ですがそれは置いておいて、この反対の声を踏まえながら騒音や落下物対策を行い、例えば都心を飛ばないとか、夜間は飛ばないなどの条件をつけて空港運営をしています。
また、日本はEEZを含めると領域はかなり広いですが、島国なので領土自体は他の国と比べると少なくなっています。なので、陸地に空港を作ることができずかわりに海上に空港を作る「海上空港」が多くあります。世界初の海上空港も日本の長崎空港(RJFU/NGS)です。
海上に空港を作ると、埋め立てにかかる費用や地盤沈下など諸問題が発生することから、エアバスA380などのような超大型機の大量就航が厳しくなります。なので、カタールやUAEなど近隣住民への配慮が必要ないため余計な空域制限や時間制限が無く最も効率的なルートで、航空会社が希望する時間に飛行することができるのです。
また、エアバスA380レベルの大きさになると通れる誘導路にも制限があります。
成田空港のB滑走路も誘導路が狭いためエアバスA380やMD11、B747-8iのような飛行機は離着陸できません。しかし、砂漠など土地が余っている中東は満足いくまで空港を大きくすることができます。(大きければいいって問題じゃないけど…)
中東は地球のど真ん中。世界の隅々までひとっ飛び
中東は世界のほぼ全ての大陸まで飛行機で12時間以内に行けるという場所にあります。(オーストラリアは除く)
ヨーロッパだって、アメリカだってアフリカだって、アジアのハブ香港だって、もちろん日本までだって12時間以内で行くことができます。つまり、ハブ空港の中のハブ空港である「世界のハブ空港」と言うことができます。
世界からの乗り継ぎ客を呼び込むことで、自国の魅力もPRすることができますし、トランスファー(乗り継ぎ)の時間を使って、経由地(カタール、UAE)観光をする人もかなりの数いると思います。
また、日本でもドバイはお金持ちのイメージがあります。そのため旅行客も普段はエコだけれど、ドバイ旅行はビジにするとかっていう需要もあります。これは、ほかの観光都市(ハワイとか)にも言えますね。
オイルマネー、大きな空港、地球のど真ん中という点が重なって中東御三家の航空会社は成功しているんだと僕は思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。