皆さんこんにちは。
楽しくヒコーキです。
今回は、伊丹空港の保安検査場係員が乗客の刃物携帯を確認したのにもかかわらず、「これはええねん!」と言われそのまま通過させてしまった件について書いていきます。
神戸新聞NEXT|総合|伊丹空港で乗客ナイフ所持 その後の行方分からず 検査場閉鎖、手荷物検査やり直すも
それではよろしくお願いします。
- ANAを救いたい。ANA聞け!
- なんで今回は大事(おおごと)になったのか。
- 評価されるべきこと
- 現場にいたはずの警察官
- 遅すぎるとも取れる再検査はなぜ行われたのか
- この刃物を持ち込んだ人が問われる可能性がある罪
- 今後取るべき対策はなにか。
ANAを救いたい。ANA聞け!
今回、この刃物を持った人をそのまま通過させてしまったのはANAが委託した警備会社の人間で、ANAの係員ではありません。これだけは覚えておいて下さい。
保安検査場にいるほとんどの係員は、特別なにか公の資格を保有しているわけではありません。(X線検査をしている人だけは国家資格を持っています)
おそらく研修を修了した人が、作業をしているものと思います。
なので、保安検査場にいる係員は国土交通省航空局の…とか警察の…といった人たちではありません。ほとんどは警備会社の人です。
航空会社運航便の保安検査は、自社の社員がやる場合やANAやJALなどは警備会社に委託して行われています。
予算が少ない天草エアライン(熊本)は、社長が保安検査をしている時もあると聞いたことがあります。(社長でも研修を受けていれば保安検査をしても全く問題ありません)
なので、今回の事案(事件とも言える)はどちらかと言うと委託した先の警備会社に責任があると言っていいと思います。
なんで今回は大事(おおごと)になったのか。
実は皆さんの知らないところで、乗客の一人が刃物を持っていたり拳銃を持っていたり(特に銃所持が合法なアメリカからくる便など)しています。
また去年だかも、新千歳空港で保安検査をすり抜け事案がありました。
この時も、保安検査を済ませた乗客も含めて全員保安検査をやり直しました。
ではなぜ今回はこんなに大事になってしまったのでしょうか。
それは、乗客が刃物を持っていた事実と、保安検査をやり直した事が重なったからだと思います。
刃物を持っていたことは間違いないにもかかわらず、犯人を見つけられていないさらに発覚から2時間半後に再検査をしたことによって、乗客の不満が高まりそしてこのような大事になったのだと思います。
評価されるべきこと
今回この刃物を持っていた乗客を通してしまった保安検査場の係員は、自らの間違いに向き合ってしっかりと報告をしたことは、評価されるべきだと思います。
SNSや一部メディアでは、この係員のことを「なんのためにいるんだか。刃物を持っていた人を通すなんてありえない。」と言っていますが、僕はこのようには思いません。
少なくともこの係員は、刃物を持っていた人を通してしまったことが航空機運航に重大な影響をもたらすことを理解している。さらに、今の状況で空の安全を守るのは自分しかできないということも認識していた、と事後行動から読み取れます。
保安検査場の係員ならば、もし刃物が保安検査エリア内に入ってしまったらば、どのような影響が出るのかは容易に想像ができるはずです。
そんな中でも、しっかりと報告できた事は評価されて然るべきだと思います。
評価しなければ、今後もし同じような立場になった係員が責任追及を恐れて、報告しないというようなことにもなってしまいます。
現場にいたはずの警察官
保安検査場の係員は、税関職員とは違って公務員ではないので身柄拘束などの権限がありません。
そのため、保安検査場付近には必ず警察官がいます。
これは、どんなに小さい空港でもそうです。
なので今回も警察官がいたはずなのです。
別に警察官がどうのこうのとは言いませんが、今後は警察官がすぐそこにいるのでその警察官にすぐ捕まえるように伝達できるようにするべきだと思います。
でなければ、警察官がいる意味ないですからね。
遅すぎるとも取れる再検査はなぜ行われたのか
問題が発覚してから2時間半後に保安検査の再検査をすることになりました。
確かに、2時間半もあったらばその刃物を持っていた人はすでに飛行機で飛び立った後でしょう。
では、なぜ2時間半後に保安検査の再検査が行われたかというと、それは刃物を持っていた人を見つけるのではなく、刃物を見つけるために行われるからです。
例え刃物を持っていた人は飛び立った後でも、刃物は飛び立ったとは限りません。
刃物を持っていた人は、保安検査場の制限エリア内で多くの人と接触したことが想像されます。
その際、もしハイジャックなどを企んでいたらば刃物の発見を遅らせるために、共犯者に刃物を渡していた可能性も無いわけではありません。
そのことも考えて再検査をしたのです。
しかし、2時間半後に再検査をして意味はあるのかと言うと甚だ疑問です。
この刃物を持ち込んだ人が問われる可能性がある罪
航空法では、刃物などの危険物を飛行機に持ち込むことを禁止しています。
報道では、刃物を持っていた人は保安検査場の係員に対して、「これはええねん!」と言ったとされています。
これはええねん!と言った背景には、保安検査場の係員がこの刃物を持っていた人を制止したと思われます。
係員「刃物がありますがこれは、お客様のものですか。」
男性「これはええねん!」
みたいに。(これは例えで、実際にこのやりとりがあったわけではありません。)
もし、刃物は自分のものだが持ち込み禁止だとは知らなかったなり、うっかり荷物の中に入っぱなしだったのならば、これはええねん!という表現にはなりませんよね。
なので、この刃物を持っていた人は刃物を飛行機に持ち込んではいけないと理解していたと思われます。(常識だけど…)
この場合は機内に危険物を持ち込むことを禁止している航空法に違反することになり50万円以下の罰金になる可能性があります。
また同様に、意図的に刃物を機内に持ち込もうとして混乱を及ぼした、ANAや大阪国際空港(伊丹空港)に対する威力業務妨害罪や偽計業務妨害罪も成立する可能性があります。
今後取るべき対策はなにか。
今回の事案で浮かび上がってきた問題点は、
- 保安検査場係員の権限が足りない
- 危険物持ち込みが発覚してから再検査までの時間が長く、多くの無関係な乗客までを不用意に巻き込んだ
- 危険物持ち込みが発覚してから航空機の運航停止までの時間が、明らかに長い
このことが挙げられます。
保安検査場係員の権限が足りないのは係員が民間人である以上仕方ありません。なので、危険物を無理やり持ち込もうとした乗客がいたらば、警察官が直ぐに介入できるように改善することが重要です。
そして、危険物持ち込みが発覚してから再検査までの時間が長いのも改善しなければなりません。
危険物持ち込みをさせないことが普通なのですが、万が一危険物持ち込みが発覚してしまったらば、速やかに問題解決することが求められます。
最後の危険物持ち込みが発覚してから、航空機の運航停止までの時間が明らかに長いというこのことは言うまでもなく致命傷です。
出発便が地上で待機すると、到着便の到着ゲートがなくなってしまうのですがこの場合は、着陸機を上空待機させたり出発地に戻したりしても、発覚次第直ちに出発便の出発を停止させたほうが良いと思います。
今回、ハイジャックなどの最悪の事態が起こらなかったことは偶然です。
もう次はありません。
(あと、今回刃物を持ち込んだ人は、悪気はなかったと思うのできっと、報道をみて冷や汗をかいていたのではないでしょうか。)
今回はここまでにしようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。