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【検証】サンタ🎅のソリは有視界飛行方式なのか、それとも計器飛行方式なのか

※人気があったため加筆しパワーアップさせました

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回はちょうど終わってしまいましたが、クリスマスに良い子にプレゼントを届けるサンタさんが乗っているトナカイのソリは有視界飛行方式で飛んでいるのか、それとも計器飛行方式で飛んでいるのかを、法令や規定を元に検証してみようと思います。

それではよろしくお願いします。

 

有視界飛行方式と計器飛行方式の違い

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有視界飛行方式とは主にヘリコプターだったり遊覧飛行のセスナ機で使われる飛行方式です。有視界飛行方式の一部(ヘリコプターとかスカイダイビング等)を業界ではゼネラルアビエーションと呼んでいて、管制方式では有視界飛行方式をVFRとも称します。

漢字の通り、パイロットが目視で地表や電線、鉄塔などの障害物さらに雲などから距離をとって飛ぶ飛行方式です。

しかしこの飛行方式の場合、外が見える状態(有視界気象状態:VMCと言います)が前提となり、霧や雲などにより視界が確保できないと有視界飛行方式(VFR)を実施することはできません。

なのでまとめると、有視界飛行方式のメリットは自由なところを飛ぶことができる。デメリットは悪天候になると安全が確保できなくなり結果、飛行できなくなる。またパイロットが全ての責任を負う。といった感じです。

 

一方、計器飛行方式とは主に旅客機や貨物機が使っている飛行方式です。また計器飛行方式はIFRと呼ばれます。

こちらも漢字の通り、完全に計器に依存して飛ぶ飛行方式です(依存と言ってもパイロットに見張り義務は課されています)。計器に依存しているので、オートパイロットでひとっ飛びかと思いきや安全間隔などの関係から計器飛行方式で飛行する航空機は、常時管制官の指示に従って飛行する決まりがあります。(日本の場合は航空法)

航空会社が「今日は曇っているので欠航です。」と言っていたらば、ビジネスが成り立たなくなるので、皆さんが乗ったことのあるほぼ全ての飛行機は計器飛行方式で飛行していたと思います。

まとめると、計器飛行方式のメリットは、よほどの悪天候(ウン十年に一度の台風とか)でなければ飛行できること。デメリットは計器などの装備が必要なこと。飛行できる空域や高度を指定されるので、自由に飛べないことが挙げられます。

 

違いを分かっていただけましたか?有視界飛行方式はVFR、計器飛行方式はIFRと覚えて下さい。(VはVisual、IはInstrument)

 

有視界飛行方式だと仮定する

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~~ここからは、ただ単に僕がまじーめにソリの飛行方式について考えるだけの記事になります。~~

 

さて、まず有視界飛行方式で飛行しているとぶつかる課題1つ目が視界不良です。サンタさんが搭乗されているのはソリなので、セスナ機(固定翼機)と同じ規定を適用して考えると、視程は1500m以上、管制圏外を高度300m以下で飛行する場合は地表または水面を視認し、雲から離れて飛行しなければなりません。管制圏外を高度300m以上で飛行する場合は、雲との前後間隔600m以上、上間隔150m以上、下間隔300m以上を確保しなければなりません。

この間隔を常に確保して世界中を飛行できるとは考えられません。

また、VFRだとプレゼントが届けられない家がでてくる可能性があります。

千歳、成田、羽田、関西、福岡、那覇など全国15空港には特別管制区と呼ばれるものが設定されています。この特別管制区とは、IFRで空港に着陸する航空機の進入ルートを保護するためにあります。そして、空港間近の場所は地表近くまでこの特別管制区が設定されています。

この特別管制区を通過する場合は、飛行場管制官から通過の許可をもらわないと通過できないので、もし特別管制区の真下に住むキッズがプレゼントをもらったと言うならば、サンタさんもしくはトナカイが管制官と交信して特別管制区の通過許可を得たことになります。

他方で、空港が混雑している場合は例えサンタさんからの要求であっても管制官は通過を許可しない(要求を却下する)可能性もあります。空港周辺並びに特別管制区内では、IFRで飛行する航空機が最優先でありVFRの機体は混雑解消するまで待機することがきまりです。

もし管制官と交信していたとしたらば、Live atcアーカイブを聞くとサンタさんの言葉が聞けるかもしれません。サンタさんのコールサインが気になります。シンプルにSANTAとか?

🎅: Narita tower, SANTA001 Good evening, we have information G.

ATC: SANTA001 Narita tower, Good evening, go ahead.

🎅: Roger, we are approaching to 5nm west of you, altitude passing 2300ft decending to 2000ft. Request cross PCA due to SANTA mission.

🎅「我々は滑走路から5マイル西の位置にいます。高度は2300ftを通過し、2000ftに降下中。"サンタミッション"のためPCA(特別管制区)の通過許可を願います。」

みたいな感じかなw

さらに、飛行場周辺の出発機や到着機が集中するターミナル管制エリアはターミナル・コントロール・エリア(略してTCAと呼びます)アドバイザリー空域に指定されていて、VFR機に対して他のVFR機やIFR機との異常接近を防ぐ情報提供を行っています。

このTCAを実施している空港は、PCAのある空港と似ていてこちらは全国18空港です。(PCAは15空港)

IFR機同士はレーダー等を用いて航空管制官の責任の下間隔が設定され、VFR機同士はお互いに回避できる速度で飛行していますが、VFRとIFR機間ではVFR機が発信しているトランスポンダーの信号をIFR機の空中衝突防止装置(TCAS)が受信してIFR機側が回避することになります。

標準計器出発方式(SID)に沿って離陸上昇中のIFR機や、管制官が一生懸命詰めてIFR機の間隔を設定したのに、IFR機のTCASが作動してメチャクチャになってしまっては効率が悪くなります。

それを防ぐためにTCAの管制官VFR機に対してアドバイスや情報提供がなされます。TCAでの業務は管制官によるレーダー誘導だけで無く、交通情報(IFR,VFR問わず)や滑走路進入の順位、空中待機の助言なども行います。

サンタさんのソリがIFR機の運航に影響を与えたらば大問題になることでしょう。また、接近した場合IFR機のパイロットはサンタさんを見ることになります。

それを防ぐためにもサンタさんのソリは、TCAによるアドバイスを要求したと思われます。だとすると、またまたTCAのLive atcアーカイブでサンタさんの声が聞けると思います。

 

計器飛行方式だと仮定する

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続いてサンタさんのソリが計器飛行方式だと仮定して考えます。ドヤ(だんだん「何やってんだ俺…」と思うようになってきました)

計器飛行方式で飛行する場合は、地上のレーダーからの質問信号に自動回答するトランスポンダーと呼ばれる機械はもちろん、我が国では空中衝突防止装置(TCAS)などの重装備が義務付けられています。

トランスポンダーは有視界飛行方式で飛行中も点灯するため、ヘリコプターやセスナ機でも搭載されてあります。しかし、計器飛行方式に必要な空中衝突防止装置(TCAS)などの装備は、搭載するスペースの無いヘリコプターやセスナ機は搭載されていません。(だから有視界飛行方式で飛行している)

現代の旅客機や貨物機は、航行援助無線施設の受信装置、自蔵航法装置(慣性航法装置:INSとか)、衛星航法装置(GPSとか)を自機が保有しています。この装置を組み合わせて空域内に設定した任意のコースを飛行することがRNAV(アールナブ:広域航法)と呼ばれる航法で、このRNAV(広域航法)によって飛行距離が短縮できるようになりました。

しかし、RNAVの最大の欠点とも言えることがあります。それは自蔵航法装置などを搭載している航空機でさらに、機内スペースや搭載重量に余裕のある中・大型機しかRNAVを行うことができない点です。

なので、ヘリコプターやセスナ機に搭載できない装備を、ただでさえプレゼントでいっぱいのソリに載せられるのか疑問です。もし、サンタさんのソリがRNAVを実施できないとなると、航空路のポイントをジグザグ曲がって飛行する(従来通りの飛行をする)しか選択肢はありません。

そうすると場所によっては、プレゼントを配ることが難しくなります。

最も、計器飛行方式の場合は管制官と交信しなければならないので、この可能性はかなり低いと思います。ただ管制官とサンタさんが連携して交信を無かったことにしている可能性も捨てきれません。

 

実際は……

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12月25日にはフライトレーダーでサンタソリの機影を捉えていました。場所はニューヨークの近くですね。(もちろんフィクションだと思います)

ちなみに拡大した画像はシカゴ付近です。

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飛行高度は38000ftで速度は410ktと、ジェット機顔負けの猛スピードでトナカイは飛行していました。この飛行高度と速度を見ると間違いなく計器飛行方式で飛行しています。

高度29000ft(フライトレベル290)以上において、有視界飛行方式での飛行は認められていませんし、有視界飛行方式の場合、他機と接近した際にすぐ回避行動をとれるように速度も250kt以下に制限されています。これらのことから2019年のサンタさんのソリは計器飛行方式にて飛行していたと言えます。

一体どこに計器を装備していたんでしょうねw

他の情報を見てみると、機種はsleigh(ソリ)、機体番号(通称レジ番)はHOHOHO、スコークコードは2425になっています。よくスコーク77とか聞くと思うんですが、そのスコークを2425にしちゃうのも面白いですね。

今年のソリは計器飛行方式で飛行していたということが分かったので、今回はここまでにしようと思います。

ソリの飛行方式をここまでマジメに考えたブロガーはおそらく本邦初…いや世界初です(調べていませんが)。来年以降はこの記事に書いてある事を踏まえて、計器飛行方式か有視界飛行方式か皆さんに判断して頂きたいと思います。(笑)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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