皆さんこんにちは。
楽しくヒコーキです。
今回は、2019年10月26日にピーチアビエーションと統合するためラストフライトを迎えたバニラエアJW106ラストフライト搭乗記をお伝えします。
このフライトは日本航空史に残るものだと僕は考えています。なので、この搭乗記は他のどのバニラエアラストフライト搭乗記よりも多い文字数になっていて、濃い内容だと自負しています。
その結果、約5700文字と読みごたえのある記事になっていていますが、臨場感溢れる搭乗記をどうぞお楽しみ下さい。
それではよろしくお願いします。
- ピーチとの統合を迎え
- 真面目な搭乗客。カウンターオープンの前に勢ぞろい
- B1ゲート搭乗前のファンイベント
- アサインシップはJA02VA白バニラ
- ラララ_ラストフライトの機内
- JW106, runway 05R cleared for TAKE OFF.
- バニラエアラストフライトの記念品
- バニラポーズで記念撮影「はいバニラ!」
- 日暮れと共に迫るバニラエアの最後
- 揺れの中成田空港に向けて降下開始
- VANILLA 106, Runway 16L cleared to LAND.
- これからが本番!バニラエア総力のラストフライトお出迎え
- バニラエアのチェックインカウンター in 成田
- 社員に届け!ラストフライトに搭乗して思ったこと。
ピーチとの統合を迎え
まずは、バニラエアとピーチの統合について僕が感じることを書いていきます。
バニラエアは、当初エアアジアジャパンとして営業を開始しました。
その後、ANA100%出資のバニラエアに名前を変えて約5年10ヶ月間1100万人を超えるお客様を安全に目的地へと送ってきました。
またバニラエアは、リゾート型LCCとして奄美大島や石垣島、台北、香港やセブ島(フィリピン)に就航し、新たなLCC客を掘り起こしてきました。
僕も今回のバニラエアが初LCCなので、バニラエアに掘り起こされた客の1人です。(初LCCの感想は、後日投稿する予定のJW103搭乗記にて書こうと思います。)
僕がバニラエアに搭乗する前に感じていた会社のイメージは、他の外資系LCCよりもサービスが充実しているんだろうな程度でした。しかし、今回バニラエアラストフライトに搭乗し感じたことは搭乗前に抱いていたイメージをはるかに超えるものでした。
バニラエア最後の最後に搭乗することができた事、搭乗しようと決断することができてとても良かったと思っています。
このフライトを忘れることは永遠にないでしょう。
それではバニラエアラストフライトの搭乗記を書いていきます。
Vanilla Air LALALA LAST FLIGHT✈
Vanilla106, runway 05R cleared for take off. Have a good flight for TOKYO!!
バニラエアラストフライト出発!
真面目な搭乗客。カウンターオープンの前に勢ぞろい
バニラエア106便は14:00(台湾時間)出発予定です。
そのため2時間前の12:00からチェックインが開始になります。
このフライトは、多くのバニラエアファンや元社員など定時運行に対する意識が強い搭乗客が多かったためか、カウンターオープンの30-40分ほど前から多くの人が並び始めて、隣にあったスクートのカウンターの奥まで列が並んでいました。
このフライトは最終的に、約160人が搭乗しましたがもうそのほぼ全員がそろっているのではないかと思ってしまうほどでした。
B1ゲート搭乗前のファンイベント
バニラエアには、熱狂的なファンが多くいます。
日本のLCCと言うのは、若い人をターゲットとして飛行機に乗らない顧客を掘り起こしてきました。なので、バニラエアをアイドルや旅を教えてくれた親友のように感じている方も多くいらっしゃいます。
そのファン達が搭乗口B1の前で、横断幕を掲げバニラエアファンによるバニラエアファンのための搭乗前のプチイベントが行われました。まさに、イベントフライトって感じて楽しかったです。
アサインシップはJA02VA白バニラ
バニラエアには2つの塗装があります。
このJA02VAは、バニラエアの前身であるエアアジアジャパン時代にANAが発注した機体です。つまり、バニラエア就航当初からずっとバニラエアを支えてきた機材です。
そのため、機体の塗装をはじめシートやベルトもエアアジア仕様に近いものとなっています。この機体はANAのリース機なので、今後ANA路線で活躍するものと思われます。
ラララ_ラストフライトの機内
バニラエアの中国語表記は「香草航空」となります。
バニラエア担当のグランドスタッフはエバー航空の制服を着た方が業務をしていました。なので、台北桃園空港にバニラエアの自社グランドスタッフはいないようです。
ANAやJALなどと違い、ステータス別の優先搭乗がなかったのであっという間に全ての乗客が搭乗できるようになっていました。
機体の後方は、バニラエアのファンが多く座っていた印象です。
機内には、バニラエアの搭乗曲「夢の扉」が流れていました。この音楽をピーチの飛行機で聞くことはできないと思うので飛行機の中でこの曲を聞くことは最後になるでしょう。
シートは黒で、テーブルは行きに搭乗した機体よりも大きく感じました。
機材はバニラエアではお馴染みのエアバスA320型になっていて、バニラエアではこのエアバスA320型機のみ保有しています。
座席は180席でLCCの標準的な座席数となっています。
先述したとおり、このフライトはいわゆる乗り慣れている客が多かったのでとてもスムーズに搭乗ができていました。(You Tuberおのださんの存在に気付いたのもこのタイミングでした。おのださんもラストフライトの動画を投稿されています。後でご覧下さい。)
ラストフライトのパイロットは両方とも定期運送用操縦士、つまり機長の資格を保有するダブルキャプテンによるフライトです。バニラエアの「このラストフライトはベテランが完璧に飛ばすんだ!」という強い意気込みが伺えますね。
客室はシニアフライトアテンダントをはじめ、4名のフライトアテンダントが乗務しており、乗員計6名でのフライトです。
見ての通り台北は晴れもう快晴と言ってもいいのではないでしょうか。
バニラエアの成田=石垣線のラストフライトは、台風の影響で欠航になってしまいましたが、今回のバニラエアラストフライトは青空と心地よい気温に恵まれて予定通りに出発します。
行きのフライトでもこのパネルを乗務員の方が掲げていたので帰りは絶対に撮ってやる!と思っていました。
非常用設備や脱出方法などのデモンストレーションをするため乗客に注目するようにしていました。きっと、バニラエアのこういうマニュアルにあるんだけれども堅苦しくなくて面白い社風が他のLCCや航空会社と違う点であり、ファンが多く付くんだろうなと思いました。
この出発する飛行機に対して手を振って見送るのは那覇空港のANA社員が発祥といわれています。
桃園空港グランドハンドリングスタッフのお手振りに見送られながらJW106便は大きく遅れること無く、滑走路05Rに向けて地上走行を開始します。
この並びも見れるのは今日が最初で最後になります。
こう思うとやっぱり寂しいですね。
JW106, runway 05R cleared for TAKE OFF.
順調に地上走行をしたJW106便バニラエアラストフライトは、途中格納庫から顔を出すドリームリフターや、ANA機に見送られながら最後の離陸に向けた合図の4チャイムが機内に鳴り響きます。
離陸後の上昇は、今後のピーチの業績を予想するかのように急上昇でした。眼下には台北の街並みが見えます。
(某交通系有名You Tuberはこの瞬間を地上からカメラで撮影していました。)
離陸の瞬間は特に何もなく機内は落ち着いた雰囲気でした。
バニラエアの機内からこんな雲を見ちゃったらば、ソフトクリームにしか見えませんよね。(あーアイス食いたいなー。)
バニラエアラストフライトの記念品
初便だと記念品は常にあるようなものですが、航空会社のラストフライトとなると採算や予算の問題で安っぽい記念品や、そもそも記念品すら無いんですがバニラエアは違います!
豪華でしょー!
クリアファイルとかシールぐらいかなと思っていたのですが、バニラエアのタオルや井上ceoのサイン付きラストフライト搭乗証明書まで付いてきて、さすがバニラエア!
バニラポーズで記念撮影「はいバニラ!」
飛行中、ラストフライト乗客と客室乗務員でバニラエア公式SNS用の記念撮影をしました。
三脚と自撮り棒を使って撮影をしていました。
撮影の際は「はいバニラ!」の合図とともに左手でVのポーズ(バニラポーズ)をしました。なかなかこのような面白い企画を他の航空会社ではしませんよね。
日暮れと共に迫るバニラエアの最後
JW106便バニラエアラストフライトは途中揺れによるサービスの一時中断もありましたが、高度37000ftを順調に飛行し、後方から夕日が差し込みながら成田空港に向けて飛行しました。
暗くなっていくに連れて成田空港への着陸つまり、バニラエアラストフライトの終わりが近づいていくのを感じます。
この旅で、今まで気づかなかったバニラエアの素晴らしい魅力を体感したので寂しいというか悲しいというか、もっともっと乗っていたいという複雑な気持ちになります。
揺れの中成田空港に向けて降下開始
今回は、ラストフライトというのもあってか機長から揺れに関する情報が細かく伝えられました。
やはり機長からのアナウンスは、揺れの情報を知るだけでは無く客室を気にする心の余裕があるんだなと安心します。上空でのパイロットや客室乗務員から発せられる「安全です。」の言葉は無条件で安心できます。
少し揺れがおさまってシートベルト着用サインが5分間だけ消灯された頃、客室では乗務していた4名のフライトアテンダントがそれぞれのバニラエアでの思い出や感謝の気持ちを流暢な英語や中国語を交えながらアナウンスしていました。
内容の詳細までは書きませんがそれぞれのバニラエアに対する思いが伝わってくる素晴らしい内容でした。
自分だけの思い出では無く、バニラエアという会社が関わっている思い出であることが、バニラエアがどれだけ社員に愛され、社員同士のコミュニケーションが取れているかが分かりました。
VANILLA 106, Runway 16L cleared to LAND.
心地よい程度のゆれを感じながらバニラエアラストフライトJW106便は、成田空港に向けて降下していきます。
千葉県の東側を通り、霞ヶ浦の辺りで左旋回し成田空港B滑走路RWY16Lに向けて降下し、途中花火が見えたりしながらバニラエア最後の成田空港着陸の時がやってきました。
成田空港B滑走路を右折しP2-GWYからバニラエア誕生以来5年10ヶ月間のホームベースである成田空港第3ターミナル付近のランプに進入します。
これからが本番!バニラエア総力のラストフライトお出迎え
長過ぎる搭乗記に眠くなったみなさん!
まだイベントはありますよ!
到着はオープンスポットになりました。
到着時には大勢の社員が手を振って出迎えていたそうですが、あいにく反対側に座っていたので全く見えませんでした。
多くの乗客が降機したとき機体後方では、フライトアテンダントの方との撮影会が行われていたり、横断幕を準備したりなんともラストフライトらしい状況となっていました。
真っ白な機体もきれいに磨かれています。
この先に驚きの光景が広がっています。
バニラエアカラーである青と黄色のサイリウムを振って降機する客を迎えていました。
列の一番飛行機寄りには、ピーチの社長で現在バニラエアの社長も兼務している井上慎一CEOがいらっしゃいました。
こんなイベントができるなんてバニラエア最高!
バニラエアのチェックインカウンター in 成田
バニラエアの看板に、メッセージを書き込めるようになっていました。
このあと午後11時頃からバニラエアのカウンターをピーチのカウンターへ改修するための作業が始まりました。もう既にこの場所はピーチのチェックインカウンターとして使用されています。
奥にはピーチの自動チェックイン機が準備されています。
電光掲示板にもラストフライトを記念した表示がなされていました。
ありがとうバニラエア!
社員に届け!ラストフライトに搭乗して思ったこと。
生まれて初めてのイベントフライトだったんですが、そのイベントフライトが「バニラエアラララ_ラストフライト」でとてもうれしく思いますし、乗れてよかったと思います。
社員やファンのバニラエアへの熱い愛をラストフライトから感じることができました。
また、ラストフライトの機内で語られたフライトアテンダントの方の思い出は、厚い壁を乗り越えて達成した「最高のバニラエア」に対する格別な思いを感じました。
バニラエアの魅力に気づいたのが最後の最後で残念ではありますが、ずっと気づかないよりよかったと考えたいです。
バニラエアの魅力をピーチで感じることは難しいと思いますが、バニラエアとピーチが統合したことでさらに良い「新生ピーチ」の魅力を早いうちに見つけたいと思います。
バニラエア!いままでお疲れさまでした。
これからは心機一転「アジアNo.1」のLCCをピーチで目指してください!
またピーチに移動される社員の皆様にも「アジアNo.1」のLCCに向けて極めて頂ければと思います。微力ながら応援させていただきます。頑張ってください!
そして、この統合を機にバニラエアと同じタイミングで退職される方もいらっしゃると思います。
そんな方に僕から一言失礼します。
いままで日本の空の革命を支えていただきありがとうございました。皆さんの努力は歴史に残る素晴らしいものに実ったと胸を張って言っていいと思います。お疲れさまでした。
ありがとうバニラエア!
またね!!
↓こちらもぜひ!!