皆さんこんにちは。
先日執行された宇都宮市長選挙で現職が当選して、宇都宮で日本初のLRT新設事業が実現する事をお伝えしました。
その結果を踏まえ、今回は宇都宮市のLRT新設現場を見てきたのでご紹介します。
沿線では様々なLRT工事が行われる
宇都宮市では、2022年のLRT(次世代型路面電車)の開業に向け、JR宇都宮駅から大型商業施設や清原工業団地を通り、テクノポリス地区までの東ルート整備を進めています。
市街地では中央分離帯を撤去する工事や、道路を拡張する工事が行われています。また、元々広い土地のあった清原(きよはら)工業団地周辺では、既にLRTの停留所や軌道の建設が始まっています。
清原工業団地はもうここまで建設されているのか、と驚くようなペースでした。
清原工業団地北(仮)停留所
こちらが建設が進んでいる清原工業団地北(仮)停留所です。
清原工業団地はキャノンやカルビーの大きな工場もあるため、平日は多くの通勤する人で車が混雑します。主幹道路も片側二車線の大きな道幅ですし、脇には幅2メートルくらいの緑地帯もあります。サッカー栃木SCの本拠地「グリーンスタジアム」もこの近くです。
この辺りでは道路とLRTが走行する軌道は別の場所になるみたいです。特段、道の横にLRTの軌道を敷いても窮屈には感じません。
道路の横に軌道を敷く所は、欧米のライトレールと似たような感覚です。安全面でも専用軌道を走行したほうが良いでしょう。
一部には点字パネルも設置されていて、現在もその作業中と言えます。
この停留所は形からして、おそらく島式ホームになると思われます。清原工業団地内の停留所は通勤時間帯に集中して混雑する事が予想されるので、この幅の1面2線島式ホームで対応できるのか、そんな心配もしてしまいました。
軌道も整備される
一部ではあったものの、軌道も整備され始めていました。場所によってはコンクリート枠にレールをはめ込むスタイルの箇所もありました。
ここまで出来上がっていると、将来2022年にこの場所をLRTが走行する姿というものが容易に想像できます。線路と線路の間には架線柱と思われる柱も既に立っています。
先述したように市街地では中央分離帯を撤去する程度の道路工事しかまだ行われていませんが、清原工業団地では既にLRTの軌道や停留所も建設されていました。開業に向けて道路を走らない専用軌道の区間を優先して工事しているようです。
清原工業団地からテクノポリス地区にかけては土地の高低差の激しい区間になります。LRTは急勾配の坂が苦手なのですが、その対策なのか、坂が急な一部区間ではご覧のようなLRT専用スロープを同時に建設していました。
低い土地を通ると夕立ちが激しい宇都宮では、年に数回程度、軌道が冠水して超低床なLRTの運行が出来ない事態に陥る事も想定されるので、無理に高低差の激しい道路と同じ高さを走行する必要はありません。
それにしても、スロープまで新設するとは大掛かりな建設だなと思いました。スロープを車が走っても申し分ない出来栄えです。
こちらは鬼怒川(きぬがわ)を渡る橋梁です。こちらも建設が進んでいます。
宇都宮市街地から工業団地まで結ぶには鬼怒川を渡ることが避けられません。画面左がJR宇都宮駅方面、右が先程ご紹介した清原工業団地・テクノポリス地区方面です。
鬼怒川は普段こんなに美しい景色を見ることができますが、ひとたび豪雨とされる激しい雨が降ると、鬼が怒るように荒々しく水が流れます。記憶に新しいのは2015年9月、台風から変わった温帯低気圧が大雨をもたらし、この地点より下流の茨城県常総市で越水したことがありました。
さて、日本初のLRT新設事業という事で注目している訳ですが、建設現場に行ってみると想像以上に建設が進んでいました。軌道や停留所や架線柱や、今のところ清原工業団地に行けば、これくらいのスケールなのかと容易に想像できると思います。
しかしながら、LRT新設の本命とも言える道路との併用軌道は未だ建設には至っていません。開業まで2年あるので、道路交通への阻害が最小限になる時期まで併用軌道の建設はしないと思われますが、併用軌道の建設が始まった時には、いよいよ宇都宮にLRTが走るのだ、と多くの人が実感するでしょう。
どの分野でも大掛かりな構想が実際に始動するのは珍しいので、建設現場を見るだけでワクワクしてきました。宇都宮ライトレールの将来に期待です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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