航空ファンによる航空・旅行ブログ

このブログの面白みがわかる人は、きっと飛行機好きです。

さあ答え合わせをしよう!

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

前回の記事の最後に問題を出しましたよね。

今回はその答え合わせをしようと思います。

それではよろしくお願いします。

 

問題をもう一度確認しよう

問題は、

「日本にあるはてな空港を離陸した直後のアメリカ行き政府専用機に搭乗している要人と、はてな空港に到着する民間機Aに搭乗している乗客が急病により意識不明の状態になったと仮定して、あなたが管制官の場合どっちの飛行機を先に着陸させるか」

というものでした。

どうするか決まりましたか。

また前の記事にも書きましたが、通常政府専用機が離発着する際は民間機の離発着を止めて政府専用機が最優先で離発着します。 

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それでは答え合わせをしましょう。

 

答え合わせ

 

正解は

民間機Aを先に着陸させます。

いかがでしたか。正解でしたかそれとも間違いましたか。

これからなぜ民間機のほうを先に着陸させるかを解説します。それではよろしくお願いします。

解説

それでは解説をします。

通常時、政府専用機に最優先権がある理由は到着地の警備や到着後の会議に遅れないためなので、メディカルエマージェンシーで出発地に戻る際は政府専用機の最優先権はなく、民間機と同じ優先度になります。

つまりメディカルエマージェンシーを宣言した民間機Aは政府専用機と同じ優先度です。

ここまで、この場合は政府専用機と民間機Aの優先度の差は無いことはおわかり頂けましたね。

ではそんな中なぜ民間機Aを先に着陸させるかに話を移します。

 

ここから最大離陸重量と最大着陸重量という言葉がでてきますが、

分かりやすくするために最大離陸重量を

最大着陸重量をで表現します。

 

政府専用機は空港を離陸して直ぐです。飛行機には最大離陸重量と最大着陸重量というものがあります。

 

最大離陸重量は主にエンジンの性能で決まります。

最大着陸重量は航空機の車輪が耐えられる重量で決まります。

ほとんどの場合、最大離陸重量は最大着陸重量を上回っています。

 

ほとんどの場合

最大離陸重量 > 最大着陸重量 

 

最大着陸重量は最大離陸重量を下回っています。政府専用機アメリカ行きですのでおそらく燃料をほぼ満タンに搭載していたでしょう。

燃料が満タンの場合は最大離陸重量は下回っていても、最大着陸重量を上回っています。最大着陸重量を上回って強行着陸をした場合、飛行機のタイヤに大きな負荷がかかるほか滑走路の路面にも大きな負荷がかかります。

そうすると滑走路に異常が無いか10分近くかけて滑走路点検をしなければなりません。でないと政府専用機のタイヤにかかった負荷により政府専用機の部品が滑落していたり滑走路に穴が空いているかもしれません。

滑走路点検の間もちろん滑走路は閉鎖されます。

 

着陸予定の滑走路が滑走路点検により閉鎖されると、残った民間機Aと意識不明の乗客は上空で行き場を失います。 

そうなると、民間機Aに搭乗している意識不明の乗客の命が危ぶまれますよね。

なので、この空港に着陸予定だった民間機Aは確実に最大着陸重量を下回っていて、滑走路に損害を与える可能性は極めて低いので1番目に民間機Aを着陸させて、その間、政府専用機は上空で燃料投棄を行い、もし民間機Aが着陸した後それでも、重量が最大着陸重量を下回らない場合は、もうメディカルエマージェンシーの民間機Aは着陸した後なので、政府専用機の機長の判断で着陸を強行する事もできます。

 

このような理由で、民間機Aを政府専用機よりも先に着陸させる選択肢の方が正しいと言えます。

最後に

いかがでしたか。

この判断を管制官は短い時間でしなければなりません。

このブログではじめての2記事にわたるクイズ企画でしたが、ある程度航空知識の記事がまとまったらばもっと多くのクイズ企画を実施する予定です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

 

airplanelove.hatenablog.jp

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。