おはようございます。本日は2020年8月、場所は千葉県成田市成田国際空港です。
今日は就航したてのピーチ成田空港発、宮崎空港行きのMM553便に搭乗します。航路上の天候が良かったため、地表の景色がはっきりと見えました。
- 第2ターミナルから第3ターミナルまでの道
- 保安検査場を通過し、搭乗口へ。
- 沖どめは素晴らしい
- MM553便に当てられたJA07VAがお目見え
- ピーチの座席をレビュー
- 成田空港の滑走路34Lに進入し、いよいよ離陸へ。
- 後続の離陸機を空撮
- 幕張メッセ、羽田空港、富士山、中部国際空港を続けて望む
- 機内販売は最小限に
- 眼下に足摺半島を望み、MM553便は着陸態勢へ
- いつになったら車輪を降ろすのか不安になった…
- トラフィックパターンじゃなかったのか !
第2ターミナルから第3ターミナルまでの道
先日、ピーチが成田空港での使用ターミナルを第3ターミナルから第1ターミナルに変更する予定だと発表がありましたが、第1ターミナルに移るのはまだ先の話。
本日はピーチアビエーションのMM553便に搭乗して、成田国際空港から九州は宮崎県宮崎市に所在する宮崎ブーゲンビリア空港に向かいます。
そのため、まずはLCC専用の第3ターミナルまで歩いて移動します。
個人差はありますが、第2ターミナルから第3ターミナルまでエスカレーターの使用時間も含めて概ね8分前後で到着します。
距離にして約500メートルです。
案内板にある通り、第3ターミナルはジェットスター系やピーチなどのLCCが使用しています。
運賃が安い分、ターミナルの遠くまで移動する手間がかかりますが、システムとしては至って合理的です。第2ターミナルから第3ターミナルまでは無料の空港シャトルバスがあるので、歩くのは無理という方も安心して利用できます。
こんなような通路をひたすら歩きます。通路面は柔らかい素材になっているので、スーツケースを引いていてもガラガラ不快な音が大きく響くことは無さそうです。
側面の目線の高さにはポスターが掲示していて、その中でもナリタニストのポスターは1枚1枚違った旅人の格言が書かれています。
例えば「年齢とか国籍とか肩書きとか、ぜんぶ、成田に置いてきた。」「どこか遠い国のニュースが、あの国のニュースに変わった。」(←すごい分かる)「臆病な自分や、恥ずかしがり屋の自分。必死で旅するうちに消えていた。」「数時間前までの常識が、通用しないのが面白い。」などなど、言葉の壁を乗り越えて旅をした人なら誰しもが大きく頷くであろう言葉が掲げられています。
格言の余韻に浸りながら、空の旅に向けて気持ちを高ぶらせて着いたのは成田空港第3ターミナル。
ピーチにはオンラインチェックインという制度が無いので、全ての乗客は自動チェックイン機かカウンターでチェックインを済ませ、保安検査場に向かいます。
保安検査場を通過し、搭乗口へ。
搭乗口は150のDです。本当は歩いて搭乗するゲートがよかったんですが、この場所からだとバスでの搭乗、つまり沖どめです。
まあ、沖どめ大好きなんですけど
保安検査場では一人ひとりに検温がなされており、ソーシャルディスタンスを維持する案内もされていました。保安検査場目前の検温で引っかかったらたまったもんじゃないです。
2019年にピーチと統合したバニラエアの103便に搭乗した時のように、バスで飛行機まで向かいます。ランプバスは普通の路線バスより横幅が広いので、車内がギュウギュウに混雑する事は滅多にありません。
沖どめは素晴らしい
バスに乗って第1ターミナル付近まで移動する道中には、JAL率いるワンワールドアライアンスメンバー等の飛行機が見えます。
中にはB777-300ERといった大型機も駐機しており、とても見ごたえがあります。
以前、羽田空港のサテライトまで行くバスで政府専用機が見えた時に「これだけで満足」と言った気がしますが、今回も早速同じような気持ちになりました。
MM553便に当てられたJA07VAがお目見え
夏の青い空に映えるピンクの機体が見えてきました。
今回搭乗する機体はJA07VA、元バニラエアの機体です。2014年12月の登録でフランスのエアバス社が製造したエアバスA320-200型機です。
ピーチの座席をレビュー
元バニラエアの機体であるものの、シートカバー等の機内各所はほとんどピーチ仕様にリニューアルされていました。シートはスリムな設計なので、座席間隔が狭いLCCですが前の座席に足が当たって窮屈だとは思いませんでした。
座席配置は横3+3の6席で縦が30列の総座席180席と、LCCとしては標準的な席数です。今回は最後尾の右窓側30F席を指定しました。
「旅行はオフピークで」と奨められていたので、8月1日(土)の成田宮崎線初便は我慢してオフピークの別日にしました。そのためか、機内で周りに人はおらず、写真の撮影もしやすかったです。
ピーチでは夜間駐機中に機内のありとあらゆる場所をアルコール消毒しています。この機体は前日に鹿児島往復して以来飛行していないので、夜間に完璧な感染対策が施されています。
隣にはスプリングジャパンの機体が3機駐機しています。
そんな中、MM553便は離陸滑走路34Lに向かうため、スポット412から機首を西に向けてプッシュバックする許可が成田ランプコントロールから発出されました。
イヌのようにワンワンと音を発するエアバスA320ファミリー独特のフラップを展開させたMM553便は、成田ランプからS3ゲートウェイまで地上走行をする指示が発出されました。
成田空港でのグランドハンドリングはANAに委託しているようです。
S-3ゲートウェイからは成田地上管制席の管轄になります。
成田空港の誘導路名がどうやら僕の知らない間に変わっていたらしく、案内板を見て「(T誘導路なんて、成田になかったよな…)」とか思ってました。
MM553便宮崎行きは、成田グラウンドの指示の下、S-3,K,Aの順に走行し、滑走路34Lに向かっています。途中には、ANAのフライングホヌ エアバスA380型機が2機とも駐機しています。
エンジンや外部機器には赤色のカバーが被されていましたが、仲良く横並びに駐機して、K誘導路を通って出発していく機体を見送っていました。
成田空港の滑走路34Lに進入し、いよいよ離陸へ。
先行する機体は1機もなく、順調に地上走行して滑走路34LのA10ホールディングポイントに達しました。
客室に離陸合図である4チャイムが鳴り響くと、滑走路34Lに進入していよいよ離陸です。アナウンスの順序は日系大手と同じなので、違和感無く落ち着いて乗れます。
ピーチの後ろにはポーラエアカーゴのボーイング767と日本航空ボーイング787が追従して、離陸の順番待ちをしています。
そして成田飛行場管制席から離陸を許可されたMM553便は、エンジン出力を一度高め、安定しているのを確認した後、さらに離陸出力(TO/GA)まで高めます。
4,000メートルある滑走路の半分を過ぎる事なくして浮遊。
長距離路線や超大型機だと4,000メートルある滑走路を端から端まで使って重そうに離陸しますが、MM553便は国内線なので滑走路長に余裕を残して軽々と離陸していきました。
そして注目してほしいのは画像の下部分。よく見ると第1ターミナルの北ウィングにまでANAの機体が駐機しています。普段ANAが駐機しない場所に駐機しているのは、やはり新型コロナウイルスの影響だと言えるでしょう。
滑走路34Lから離陸したMM553便は宮崎ブーゲンビリア空港に向けて上昇していきます。
通過したのは日本三大河川の一つ、利根川(とねがわ)です。
成田空港の34Lから離陸した飛行機は同時平行出発用不可侵区域(DNTZ:Departure No Transgression Zone)が設定されていない限り、利根川を通過した辺りで右旋回をします。
離陸後の高度制限は7,000フィートくらいが通例です。
後続の離陸機を空撮
離陸後は大きく右旋回をし、針路を宮崎に向けます。
空撮と呼べるような大層なものではありませんが、旋回時に離陸直後の後続機を撮影することができました。
成田空港の滑走路34Lから離陸した場合には、離陸機が立て続けに離陸している事や視界が良好なことなど、いくつかの条件を満たすと、このように飛行機から飛行機を見ることができます。
本日の成田周辺の天候は良好であり、ATISでは視程30kmと放送されていたはずです。
幕張メッセ、羽田空港、富士山、中部国際空港を続けて望む
飛行機というものはとても速い乗り物だと実感しました。
まずこちらは千葉県千葉市上空。機窓から見えているのは海浜幕張駅付近の街並みです。
画像の中央にはJRの線路が見えて、左には幕張メッセや千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)も見ることができます。
東京湾を過ぎた頃に見えてきたのは、大田区にある東京国際空港です。
少しでも曇っていると空港全体を見ることができないので、ここまではっきりと隅々まで見れたことには感動しました。滑走路05(D滑走路)から離陸した飛行機が見られたこともよかったです。
羽田空港通過時には高度25,000フィートにまで達しており、既にベルト着用サインは消灯していました。成田空港離陸から時間にして約10分です。
日本が世界に誇る富士山は山頂付近の一部を雲の上に見せています。
ちょくちょく場面が変わるので機窓を眺めてて飽きることなどあろうはずがありません。
成田空港を離陸して10分弱で幕張上空、数分後に羽田空港上空、その約10分後に富士山上空、さらにその約10分後には中部国際空港上空です。
中部国際空港に至るまで航路の天候は概ね良好。静岡県付近には若干の雲がありましたが、地上まで見渡すことができてとても楽しいフライトです。
機内販売は最小限に
新型コロナウイルス感染拡大を防止するためピーチでは機内販売を含むサービスを最小限にしています。そのため客室乗務員が積極的に機内販売を行う姿は見られませんでした。
ただ、機内販売を行っていないわけではないので、飲み物など注文すれば購入することは可能です。以前ピーチは機内販売で本物の車を売ったり、有名店とのコラボ商品を販売したりして注目を集めました。
機内誌に目を通せばレア商品に出会えるかもしれません。期間限定の商品も多いので、気になった商品は客室乗務員に問い合わせてみましょう。
眼下に足摺半島を望み、MM553便は着陸態勢へ
さて、久しぶりの空に心を打たれていますが、愛知県から先は洋上を飛行して宮崎に向かいます。ここまで僕の肌感覚でライトマイナスにも及ばない程の軽微な気流の乱れが1度ありましたがフライトは順調です。
洋上飛行時には微かに円を描いている地平線を静かに見つめていましたが、突如として眼下に現れたこの半島。
この時、既に高度を下げていたので場所の見当はついていましたが、後から調べてみると時間的にこの場所は高知県の南西部に位置する足摺半島のようです。星空がキレイに見えることで人気があります。
ここまで来ると宮崎までもうすぐです。MM553便は着陸向けて引き続き高度を下げていきます。
遠くに宮崎県が見えてきました。
いつになったら車輪を降ろすのか不安になった…
えっ!空港って海沿いじゃなかったっけ?
僕の事前サーチだと宮崎空港は海沿いにあって、海から進入して陸地が見えたらもう着陸!って感じだったんですが、いつになっても車輪どころかフラップすら降ろしてなくて、一瞬戸惑いました。
ただこの時は、左旋回して空港に近づいてから右旋回したので、トラフィックパターンに入って内陸から進入するんだろうなと思っていました。
MM553便の空の旅は川に始まり川で終わります。
見えている川は大淀川(おおよどがわ)です。この大淀川は鹿児島県が上流点になっていますが、大淀川水系は実に133本もの河川があるので、全て鹿児島県から来た水と言うこともできません。
近頃は出どころ不明なチョウザメが大量に釣れることで話題になった川です。
トラフィックパターンじゃなかったのか !
搭乗していた時は完全にビジュアルアプローチだと思い込んでいましたが、後々調べると今回はRNAVアプローチらしいです。RNP進入なのでトラフィックパターンなど存在しません。(簡単に説明すると、RNAVは最短距離で進入できるもの。例えとして間違っているかもしれないけれど、自動車がUターンする時に、目で確認しながら大回りするのでは無く、機械で割り出した最適解を基にして最短距離で転回する感じ。)
なので、当時ターニングベースだと思い込んでいたこの旋回は、ただの左旋回だと言うことです。あぁ恥ずかし笑
見ての通り地上がとても近く、住宅地の周辺を飛行していることが分かります。奥には大淀川の上流がある山が見えます。
MM553便は滑走路に向けて最後の旋回をしており、間もなく着陸します。
滑走路09に進入します。誘導路には離陸準備をしているDHC-8 Q400が見えました。
右側のメインギアからタッチダウンして、末端から約2,000メートルのS7から滑走路09を離脱し、MM553便は駐機場まで向かいます。
宮崎市街地上空を飛行した進入は楽しかったです。後日、宮崎市内でたまたま進入している着陸機を見かけましたが、目視で航空会社や機種を確認できるほどの低空飛行でした。
先程出発準備をしていたANA塗装のQ400が離陸していきました。よく見るとR2ドア付近に黒文字でのペイントが確認できるので、オリエンタルエアブリッジにリースしているQ400に見えなくもありません。
おそらく宮崎発福岡行きでしょう。
しばらく地上走行して駐機場に到着。定刻通りに到着しました。
流石は和製ハワイとだけあって、空港周辺の道路に沿って植えてあるヤシ科の背が高い木がよく見えます。機内は涼しかったのですが、青く澄み渡る空とマッチして一気に南国に来た気分になります。
降機してから到着口まで歩いている時には階段で地上と同じ高さまで降りていたらしく、窓からは翼を休めるソラシドエアのボーイング737-800が見えました。
九州の翼ソラシドエアは、ここ宮崎空港を拠点として運航しており、本社も宮崎市内にあります。
そして到着した宮崎ブーゲンビリア空港です。
到着してから展望デッキに出てみましたが、8月の宮崎は暑いのなんの。ずっと自粛生活を送っていた身にとっては少々しんどいものでした。
とりあえず今回はここまでにしようと思います。
宮崎旅の続き↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。