皆さんこんにちは。
楽しくヒコーキです。
このブログについてはこちらをご覧ください。
今回は、空の安全を支えているのは誰というテーマで、航空業界のいわゆる「裏方的存在」を紹介していきます。
目次
それではよろしくお願いします。
はじめに
今回、紹介する裏方は航空管制官です。
航空管制官は、今や航空業界の裏方の中でもかなり有名な職業になったと思います。
ですが、「航空管制官の仕事の内容はどんなものかあなたはわかりますか」
と、突然街中でインタビューされてなんとなくでも答えられる方はかなり少ないのではないでしょうか。
空港の展望デッキでインタビューをすればかなり答えられる割合が上がるとおもいますが。笑
(街中で突然管制官についてのインタビューってどんな状況なのと今自分で思っています笑)
そこを考えていきましょう。
一部航空管制官を管制官と略して表記する場合がありますが、意味は同じです。
航空管制のきほんの「き」
飛行機が飛び始めてから今日で100何年ぐらいたったでしょうか。
その飛行機の歴史のなかで、一体何件の「事故」が起こったでしょうか。何人の方が命を落としたことでしょう。
飛行機の事故によって命を落とした方のことをおもうと心が痛みます
この事故の中には航空管制によって起こったものがたくさんあります。
ですが、この取り返しのつかない間違いが起こった事実を見つめ再発防止策を提言することで、世界中の管制官に同じことがどの国にも起こらないように周知する。
この先人たちの不幸や苦労によって今の航空管制の安全性が保たれているということを忘れてはいけません。
これから、航空管制についてご紹介しますが、上に記したことを忘れずに読んでいただきたいと思います。
航空管制の基本
航空管制はアメリカはもちろん日本やその他の国々つまり、全世界英語で行われています。
これは、日本の国内線例えば東京羽田空港から大阪伊丹空港まで行く飛行機で日本人のパイロットと航空管制官が交信するのも英語です。一応規定上は、英語または母国語となっていますが、英語がメジャーです。
ヘリコプターは、日本語で交信する場面も多いと思います。
英語で行う理由としては、
- 決まったフレーズで交信することで、間違いをなくすこと
- 外国人パイロットにも周囲の飛行機の状況を理解しやすくすること
- 指示を短くても分かるものにするため
これが大きな理由だと僕は思います 。
1つ目に挙げた「決まったフレーズで交信することで、間違いをなくすこと」というのは、特に日本人は相手にとても気を遣うことが当たり前になっているので、「もしできたら〇〇の情報を教えていただけないでしょうか。」などと【〇〇の情報】という自分の知りたいことのワードよりも「もしできたら」や「教えていただけないでしょうか」といった相手に気を遣う敬語のほうが、圧倒的に長くなり結局【〇〇の情報】を聞き逃し、もう一回相手に聞き直さなければならず言うまでもなく二度手間ですよね。
2つ目の「外国人パイロットにも周囲の飛行機の状況を理解しやすくすること」は例えば、
今、2機の飛行機が同じ滑走路に着陸をしようとしています。
1機目の飛行機が滑走路に着陸した際、パイロットは管制官に「500ftあたりで、若干の乱気流を観測しました。」と日本語で報告しても2機目のパイロットが外国人で日本語がわからない場合、何を言っているのかわからず、そのまま乱気流が発生している地点に突入し、結局1機目の報告が無駄になってしまいます。
仮に、この報告を英語でしていれば、管制官が日本語を英語になおして2機目に報告する手間や時間のロスがなくなります。そして2機目のパイロットは、早めに乱気流に備えることができます。
これが、2つ目の理由です。
3つ目の「指示を短く分かるものにするため」は、例えば羽田空港などトラフィックが多い空港では、短い時間にたくさんの飛行機が管制官に許可や指示を求めたりしています。そうすると日本語で「はてな航空100便、滑走路34L(この34Lの意味は後述します)への着陸を許可します。風は300度から10ノットです。」というより、「Hatenaair100, runway34L cleared to land, wind 300 at 10kt.」と言う方が、慣れれば言いやすくなり、間違いなく、素早く言うことができます。
これらの理由から、航空管制では英語で交信しています。
過去から学ぶ
航空管制のきほんでも書いた通り、間違いがあったら改善する。これにより航空事故は昔と比べるとかなり減少しています。そこには、曖昧なフレーズの使用などにより、起こった事故も多数あります。
例えば、「(着陸機が迫っているので)遅れずに離陸してもらう予定です。」と、管制官が離陸機に伝えるときに、
Expect, no delay take off.
と昔は言っていました。
ですが、この場合文頭の"Expect"を聞き逃したらNo delay take off.(直ちに離陸せよ。)と言う意味に、変わってしまいます。もし、このときまだ先行機が滑走路上にいたらどうなるかは言うまでもないですよね。実際、これが理由で起こった事故がありました。
なので日本では、
Expect, no delay departure.
として、"TAKE OFF"というフレーズは離陸許可以外は使わないというように変わりました。
さらに、滑走路の番号があるんですがこの番号は角度によって決められています。(例えば真北360°を向いている場合は滑走路36、真南180°を向いている場合は滑走路18。)また平行して2本以上の滑走路がある場合はこれにR(right)やL(left)、C(center)がつきます。(滑走路36Rなどのように。)
またこれを、特に日本人など東アジア人が発音するとR(right)かL(left)が分かりにくく、間違えて相手に伝わってしまう場合があります。このため管制官やパイロットはRをロミオと呼び、Lをリマーと呼び間違いが起こらないように工夫している場合もあります。
ロミオやリマーは、フォネティックコードというもので、AからZまで無線でも間違って相手に伝わないものになっています。
日本語でいうと、いろはの「い」や上野の「う」にちかいですね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回、紹介したのはほんの一例です。
他にも、工夫したことはたくさんあります。さらに管制官の方たちは常に間違いが起こらないように、考えて、工夫し、改善しています。
管制官の努力があり、今日の空の安全が守られているのです。
今回は、ここまでにしようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。