航空ファンによる航空・旅行ブログ

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管制官がパイロットを"せかす"言葉

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回は、管制官が無線でパイロットを「せかす」時に使う言葉をレベル順に書いていきます。

それではよろしくお願いします。

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直ちに離陸せよ

管制官パイロットに対して、急いで行ってとか早く通ってと指示する場合があります。

例えば、着陸機がすぐそこまで迫っている状況でノロノロ離陸していたらばニアミスしてしまうので、その場合は直ちに離陸せよ管制官は飛行機に対して指示を出します。

その直ちにのせかし度をレベル分けしていきます。

なお、専門用語を使う場面もありますがその場合は注釈で解説します。

もし、それでもわからない言葉があったらばご連絡下さい。

 

ゆっくりしちゃダメだよ

直ちにとは言わないけれどもゆっくりしてはダメと言う場合は

管制官「Hatena air 100, next landing traffic 10miles on final. Taxi without delay please.」

もしくは、

「Hatena air 100, next landing traffic 10miles on final. Taxi no delay please.」

意味はどちらも

はてな航空100便へ、次の着陸機が10マイルの位置にいます。タキシング(注)は遅れ無しでお願いします。」

注釈

タキシング=飛行機が地上走行すること

となります。

withoutとno delayがせかし度1です。

 

急いで下さい

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主に地上走行している時に使います。withoutやno delayより1段階レベルが上になります。

 

管制官「Hatena air 100, expedite turn right and contact ground.」

意味ははてな航空100便へ、急いで(早く)右に曲がりグラウンド管制(注)と交信してください。」

(注釈)グラウンド管制とは地上走行をする飛行機や整備車両に対して、指示を出す部門です。

 この交信内容は着陸した後、滑走路から離脱する際に使われます。

expediteがせかし度2です。

 

とにかく直ちに行動せよ

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主に離陸機に対してや緊急事態の時に使われます。

これを指示された飛行機は迅速に行動しなければなりません。

また、これは本当に急いで欲しい時にしか使わないので1つの空港で1日に1回か2回しか使われません。

管制官「Hatena air 100, inbound 3miles final. Wind 020 at 7kt, runway 34R cleared for immediate take off.」

意味ははてな航空100便へ、着陸機が3マイルの位置にいます。風は北北東から7ノット、滑走路34Rから離陸を許可します。また、迅速な離陸を促します。」となります。immediate take offは直ちに離陸を意味しますが、この場合は

離陸許可+迅速な離陸を促す

というふうになります。

実際に事故調査報告書にもimmediate take offは迅速な離陸を促すと表記されています。

この"immediate"は、管制官パイロットをせかす言葉の中では一番強い表現です。

 

最後に

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概ねこの3段階にせかし度は別れています。

僕の印象では、最後のCleared for immediate take off.と指示された飛行機は、指示を受けて復唱している最中に、エンジンをふかし始めて離陸滑走を始めているように思います。

ですが、いつもimmediateと言っていたのでは飛行機も本当に急がなくては行けない時に「いつものことだからゆっくり行っても大丈夫。」となってしまうのでそこは気をつけなくてはなりません。

なんかの昔話にいつもオオカミが来たと仲間をからかっていて本当にオオカミが来たときにオオカミが来たと言っても誰も信じてもらえなかったみたいな話がありましたよね。

今回はここまでにしようと思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。