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【オタク解説】なぜLCCの運賃は安いのか。

皆さんこんにちは。楽しくヒコーキです。

今回は、なぜLCCは安い運賃を維持することができるのか、ということをオタク解説していきます。

それではよろしくお願いします。

なぜLCCの運賃は安く出来るのか。

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LCCはとにかく運賃が安いです。国内線であれば平均して5,000-6,000円くらいの価格設定で航空券を発売しています。

JALANAに比べて半額以下の航空券があることはザラで、期間限定のセールを実施していると7割8割安い運賃で航空券を発売していることもあります。

時には1円セール等のぶっ飛んだセールも実施しています。

そんな時、誰しもが思うことは「何でLCCってこんなに安いの!?」ということです。

その仕組みについて深堀していきます。

LCCが「格安航空会社」ではないことを理解しよう

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日本ではLCCを何故か格安航空会社と和訳して称されます。

しかし、僕は格安航空会社という称し方がとても嫌いです。どうしても受け入れられせん。

LCCLow Cost Careerの略語です。普通に和訳すれば低コスト航空会社と言う意味になります。低コスト=安全面を犠牲にしている訳ではありません。あくまでも、削減しているのは無駄なコスト

この点を理解しているのと、していないのとでは今後の内容を理解する上で支障をきたします。

LCCが安い理由は低コストだから、漢字で表すなら経費を抑えているからです。格安の機体を使ったり、質の悪い部品を使っているわけではありません。

これを踏まえて、LCCが実際に行っている経費削減策を見ていきましょう。

保有機種を統一することでコストを減らす

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JALANAでは就航している路線の需要に合わせて、大型機を使用したり、小型機を使用したりと、複数の機種を使い分けています。一方の現在日本に本社を置く全てのLCCは、保有する機材を1種類に統一しています

保有する機種を統一することで整備コスト、詳しく言うと整備に使う部品のコストが下がります。

「整備コストは削減しちゃダメでしょ」

そう言った感想を持つかもしれません。

実際問題、どこのエアラインとは言いませんが、無理矢理に整備コストを削減した結果、部品交換が速やかに行えず、欠航や遅延が頻発して信頼を失った航空会社もあります。

なので整備コストは必要経費です。必要経費ですが、機種を統一することで揃える部品が1機種分に限られます。(機種毎に使える部品が異なる)

そうすると、複数機種を運航している航空会社に比べて、必然的に経費を節約することが可能になります

操縦士(パイロット)や整備士は、機種毎に資格が必要です。

1機種だけ保有する航空会社ならば、所属する全ての操縦士や整備士が、全ての機体を扱うことができる、すなわち、交代要員の数が最小限で済む、人件費が最小限で済むのです。

LCC空港、LCCターミナル、オープンスポットを使用する

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日本では成田空港や中部空港、関西空港でいわゆるLCCターミナルと呼ばれるLCC専用の旅客ターミナルがあります

JALANAが使用している旅客ターミナルとは別に、簡素な造りの旅客ターミナルを新設して、空港会社がLCCを誘致する際の謳い文句にする訳です。

なぜなら簡素なLCCターミナルは、既存する旅客ターミナルに比べて、施設使用料が目に見えて安いからです

旅客1名が支払う施設使用料でも、成田空港の場合、既存する旅客ターミナルは2,130円/人(国際線・T1T2出発)なのに対して、新設されたLCCターミナルは1,040円/人(国際線・T3出発)と、実に1,000円以上の差があります

また、旅客ターミナルからパッセンジャーボーディングブリッジ(搭乗橋)を通って直接搭乗する方式よりも、オープンスポットに沖止めした方が、搭乗橋使用料(13,000円/回・成田)を節約できるので、LCCは沖止めをすることが多いです。

逆に、やむを得ず搭乗橋を使って搭乗したり、降機する空港の場合は「搭乗橋を使うので乗り降りが楽!」と、広告に使うことさえあります。

手数料収入が意外と多い

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もしLCCを利用するなら、運賃とは別に100%必ず手数料を支払う事になります。

LCCは表面上の料金は安いのですが、新規予約手数料(電話予約やカウンター予約)や支払い手数料などなど、普通に予約するだけ、普通に決済するだけなのに手数料が徴収されます。

実はこの手数料収入がLCCにとっては貴重な収入源だったりするので、シビアにチェックされます。

他にも受託手荷物料金や座席指定料金等のオプション料金もかかるので、「元の運賃が安いから♪」とウキウキしてオプションを追加していると、いつの間にかJALANAと変わらない料金になってしまったなんてこともありえます。

LCCを上手に使いこなせるようになれば、旅へのハードルが格段に低くなります。

また、良い意味で世界が近くなります。以下にLCCの搭乗レポート(Peachジェットスター)と併せて、LCC並に運賃が安いスカイマークの搭乗レポートを載せておきます。

できるだけ現場の雰囲気が伝わるように書いたので、自分に合う航空会社を探す為にも、是非ご覧ください。

ここまで丁寧に読んでいただいたことを嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。素敵な空の旅を。

まとめ

LCCの運賃が安いのは

  1. 保有機材を統一しているから
  2. 簡素な旅客ターミナルを使っているから
  3. 手数料収入を得ているから

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