航空ファンによる航空・旅行ブログ

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航空ファン目線で武漢チャーター便を説明・解説

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回は、武漢チャーター便について使用された機体や運航会社を始め、どうしてANAがチャーターされたのか等について書いていきます。

それではよろしくお願いします。

 

ボーイング767-300ERが充当

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武漢からの邦人帰国チャーター便第1,2,3便は、ANAボーイング767-300ERが充当されました。機体番号(レジ番)はJA607Aです。機体にはAir Japanのペイントがあります。

ANAボーイング767-300ERには2種類あり、ウインドレッド(WL)のあるタイプとウインドレッド(WL)の無いタイプになります。WLの無いタイプのAir Japanに所属するボーイング767は元々アジア近郊の国際線に就いていました。

しかし、座席の更新に伴いWLの無いタイプのボーイング767は国内線用に改造され、このJA607Aも元は国際線を飛んでいましたが今は国内線用の座席であり、運用も全て国内線に就いています。

座席数は270席(プレミアムクラス10席、普通席260席)であり、同社の国際線仕様機の座席数は202席(ビジネスクラス35席、エコノミークラス167席)となっており、国内線専用機は国際線仕様機より68席座席数が多くなっています。

先述の通り、JA607Aは元国際線仕様機と言うこともあり、航続距離は10,820km(太平洋路線でも使える)です。

 

どうしてANAがチャーターされた?

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ANA武漢へ定期便を飛ばしていたことが関係しています。

Twitter上ではパイロットの路線資格云々と考えている人が居るみたいですが、実際のところは、たぶんグランドオペレーションが深く関係していると思います。今回のチャーター便は急遽決まったことであり、迅速にチャーター便を飛ばす必要がありました。

 

他の航空会社(日本航空等)は武漢への定期便が無く、武漢でのグランドハンドリングやチェックイン業務に必要な、(武漢の)グランドハンドリング会社との契約に時間がかかり、速やかな出発ができないと判断したためだと思います。

路線資格を気にしていたらば、日頃からあるような旅行会社借り上げのチャーター便など飛ばせません。昔は資格を取得する場合は実機で行っていましたが、現在シュミレーターの発達により、多くの資格はシュミレーターにより取得できるようになりました。余談ですが、パイロットの訓練の多くは悪天候や故障などのハンデを抱えた状態でのフライトになります。そのため実際に悪天候やハンデを抱えた訓練を実機で行っていた時代には、訓練中に墜落する事故も少なくありませんでした。

 

話を戻して、つまり資格はシュミレーターでも取れるので、日本航空もやる気になれば武漢空港に離発着することはできるでしょう(チャーター便は発着枠関係ないので)。しかし、受託手荷物の運送や、給油、安全確保などを総合的に考えて、現地のグラハン会社と契約のあるANAが最適だと判断したものだと考えます。

また、同じく武漢に直行便があるスプリングジャパン(春秋航空日本)と比べても、ANAの方が羽田・成田の両空港において経験が豊富で、急な空港変更にも柔軟に対応できることも考慮されたと思います。スプリングジャパンは今回のチャーター便が着陸した羽田空港に路線が無いので、こちらもグランドオペレーションに難があります。

なので、日本航空やスプリングジャパンが武漢へのフライトを断ったとかそういう事ではありません。総合的に見て、ANAの方が他社よりも長けていると判断したからです。

 

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だいたいこんな感じです。この記事の投稿される日がいつになるかは分かりませんが、邦人帰国が順調に遂行することを望みます。

また、今回武漢に飛ばすことを決断したANAや、武漢に飛んだ乗務員の決断と勇気は大変素晴らしいことだと思います。これから先、もし誰かに「あなたの尊敬する人は誰ですか。」と聞かれたらば、「2020年に実行された、武漢での新型コロナウイルス感染拡大に伴うANAの邦人帰国チャーター便に乗務した乗務員のような、危険と隣り合わせの様な地域に臆することなく飛んでいける使命感の強い人です。」と答えます。

 

新型コロナウイルスについては答えかねますが、今回のチャーター便について疑問に思うことがございましたらばコメント欄にてお知らせ下さい。可能な限りお答えします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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