航空ファンによる航空・旅行ブログ

このブログの面白みがわかる人は、きっと飛行機好きです。

CAからの指示に平気でクレームをつけられる感覚は絶対無くしたほうが良いと思う。

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回の記事では最近SNSで話題になった事を書いていきます。別に何と明言しませんが、JALに搭乗した某銀座ママが某バーキンを「床に置け」と客室乗務員から指示されたことが気に入らず、自身のSNSで指示した客室乗務員の顔と実名を晒す「バーキン事件」のことです。

 

グレーゾーンの場合、現場の指示が優先です。

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https://www.jal.co.jp/dom/baggage/inflight/

客室乗務員は表面上お客様に気を遣ってサービスを行うホールスタッフの機内版みたいに見えるかもしれませんが、実際は機内の安全秩序を守る役割が多くあります。

緊急時に誘導するとか指示を出すだけで無く、乗客が怪我をしないように指示を出したり、機内の保安装置に影響を与える行為を乗客がしないように指示する立場でもあります。

上の画像を見れば誰でもわかると思いますが、バーキンを手に抱えたままだと揺れにより誰かにあたってしまうかもしれません。頭の上からバーキンが降ってきたらばびっくりしますからね。

その日飛行する航路の気象情報を運航乗務員が確認した上で、注意すべき事を運航乗務員が客室乗務員に指示を出し、客室乗務員が機内アナウンスをした後指示どおりになっていない乗客には、客室乗務員が安全に関する指示を履行するよう直接言います。これが保安要員としての業務である、「安全秩序を守る」と言うことです。

そのため、客室乗務員がその乗客の状態に違和感を感じ、違和感を感じたところを規則通りにするように指示することは何ら問題ないですし、客室乗務員の職責をしっかりと果たしていると僕は思います。

 

安全秩序が無いと、脱出するとき死にます。

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安全秩序は緊急脱出する時のためにあります。普段のフライトでは「面倒くさいな」とか「バーキンがぁーー」と感じるかもしれません。しかし安全秩序に「いざとなった時にやればいい」なんて言葉は存在しません。

飛行機から90秒以内に全ての乗客乗員が脱出をしないと、火災や機内への浸水などの二次災害により被害を受ける(死ぬ)可能性が高くなります。そのため、旅客機は90秒以内に全ての乗客が脱出できるように設計されています。

そのわずか90秒の間に全ての乗客乗員が助かる安全秩序をつくり出すことは不可能です。

また安全秩序が中途半端だと、例え命は助かったとしても完璧なパフォーマンスができなくなります。

銀座ママが嫌いなJALで過去に起こった例だと、ある雪の降る日、エンジントラブルが発生し機長が緊急脱出を実施すると決断しました。

その際、緊急脱出時にスライドを破損したり脱出が遅れるため禁止されているバックなどの荷物を持ち出す行為を多くの乗客がしました。客室乗務員はスライドが破損する可能性があったため、バックを持ち出そうとした乗客からバックを取り上げ、非常口付近に置いていました。たくさんの乗客が多くの荷物を持ち出そうとしたため、取り上げて置いておいた非常口付近が荷物でいっぱいになります。

そして、非常口付近にはコックピットとキャビンの扉があります。

緊急脱出時に運航乗務員はチェックリストを速やかに完了させた後、キャビンに移動し指揮をとったり客室乗務員と共に脱出の誘導をする任務があります。しかし、塞がった扉により運航乗務員の任務を遂行することができませんでした。

航空の安全は、航空管制官↔運航乗務員↔客室乗務員↔グラハン(ランプ)スタッフの連携が取れて成り立っているので、運航乗務員と客室乗務員が直接連携が取れないこと、さらに責任者である機長が客室に出入りできないとなると脱出に支障がでます。

つまり、日頃物に執着しすぎてそれを飛行機に持ち込むと、何かあったときに自分が嫌な思いをするか、誰かを殺すことになるかもしれないということです。

 

秩序崩壊が慢性化すると死亡事故の確率が上がります

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日系航空会社は「クレームの無いように」「お客を怒らせないように」が徹底されています。海外では「100人のお客様がいて99人が喜ぶようなサービスならばやってもいい」という考えもありますが、日系の場合は「100人のお客様がいて100人が悪く思わないサービスをする」といった方針です。

例えば、機内で乗客のカップルがプロポーズをし客室乗務員が演出を手伝ったとしましょう。機内が騒がしくなる中、99人の乗客が固唾を呑んで結果を見守る一方、1人の乗客が騒がしくてうるさいと言ったとします。

海外の航空会社はこの乗客に対して「他のお客様は皆様応援して下さり、苦情はありませんでした。もしお客様が不快に思われたのであれば、我々の会社とお客様とで価値観が異なり、縁が無かったという事で他の会社をご利用ください。」

と言いますが日系は、

「ご迷惑をおかけし申し訳ございました。当該乗務員に事実関係を確認し、今後このような事がないように指導を徹底致します。」と回答するでしょう。

 

一見、サービスと保安で別問題のように思いますが実際は異なります。

 

今回、某銀座ママSNSで客室乗務員の顔と名前を晒したことで、晒された客室乗務員はまた晒されることを恐れ今後注意しにくくなるでしょう。また他の客室乗務員も顔と名前を晒されることを恐れ、グレーゾーンを見逃したくなるのは人間ならば分かるはずです。

さらに、先程書いたクレームが出ないように(面倒な事にならないように)という、日系特有とも言える風潮と重なって、妥協するべきでない安全に関することでも「差し障りの無い言い方」をし、時には相手に伝えたい指示が伝わらないことになるでしょう。

そうすると、いつの間にか本来はグレーなのにホワイトになってしまうかもしれません。安全秩序が崩壊しているのに、それに気づかないでいると(あるいは、気づいているのに放っておくと)トラブルが多発したり、事故の際に被害が思わぬ形で拡大するかもしれません。

客室乗務員が躊躇なく職責を全うできるように、航空会社は今回のような行為をする乗客にはペナルティーを課すべきです。某銀座ママはこんな事を考えずに、怒りにまかせて客室乗務員の顔と名前を投稿したと思われますが、顔や名前をSNSで晒すことでこんな悪影響があるんだぞとペナルティーを通じて世間一般に知らしめるべきです。

 

ANAに乗るって言ってるけれども…

銀座ママは「もうJALには乗らない!ANAに乗る!」って言っているみたいですが…

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https://www.ana.co.jp/ja/jp/domestic/prepare/baggage/carry-on/carry-rule.html


ANAのサイトには、膝の上に荷物を置いてはいけないと図で説明されています♡(笑)

もう銀座ママの乗れる航空会社って、無いんじゃね\(^o^)/

ANAのCAさん!乗客に注意する際は、くれぐれもSNSに顔や名前を晒されないように気をつけてくださいね!

 

 

皆さんもSNSの使い方にはお気をつけください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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