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【オタク解説!中学校社会科】ハブ空港がもたらす経済効果と、求められる要件。

皆さんこんにちは。

楽しくヒコーキです。

今回は社会科でも学習する「ハブ空港」について、用語の解説から経済にもたらす影響、更にハブ空港に求められる要件も詳しく解説していきます。

それではよろしくお願いします。

ハブ空港とは何なの?

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日本のハブ・東京国際空港の管制塔

日本の首都であり、政治・経済の中枢でもある東京。

世界でも指折りの大都市であり、そこには東京国際空港羽田空港)があります。

羽田空港は第一次安倍晋三内閣及び前原誠司国交相鳩山由紀夫内閣菅直人内閣)によって再国際化を遂げ、4本もの滑走路を保有する国際空港として発展しました。これからはアジアのハブ空港として成長することでしょう。

 

教科書でこのように説明されるかは定かではありませんが、教科書風に説明して見ました。

では始めに、そもそも「ハブ空港」とはどういった意味なのか、改めて確認します。

日本各地や世界各国を超高速で結ぶ飛行機は空港と空港を結ぶ交通機関であり、バスや鉄道と比べると発着地が限られた場所に集中します。

「ハブ」という聞き慣れない言葉になると理解が難しくなってしまいますが、基本的にバスや鉄道の「ターミナル」と似たような意味があります。

あえて日本語で説明すると、ハブ空港とは拠点空港のことで、旅客や貨物を、ある空港に集約することで管理がしやすくなり、利便性が向上するメリットがあります。

航空会社のビジネスモデルに「ハブ・アンド・スポーク」というものがあります。これは拠点と地方都市を放射状に結ぶもので、多くの航空会社が採用しています。

ハブ空港がもたらす経済効果

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ハブ・アンド・スポーク方式は東京一極集中と似ているところがあり、地方からの旅客や貨物を一旦ハブ空港に全て集めるというものです。

それにより、ハブ空港が所在する都市は、経済的に大きな恩恵を受けることになります。

飛行機は分単位で運航することが特性上困難であるため、空港での乗り継ぎに必要な最低時間は、空港やターミナルによって1時間以上求められる場合があります。

また、国際線のフライトの場合、山手線のように2-3分に1本くるなんてことは無く、頻度が高い路線でもせいぜい1時間に1本、大抵の路線は1日に4-5本、少ない場合は1日に1往復のみや隔日運航ということもあります。

そうすると、ハブ空港滞在時の食事代、宿泊代、時間があって都市まで出掛けた場合の観光費等々、ハブ空港がある都市は「プチ旅行」感覚で利用者がお金を使うことがあります。

空港設置者(主に政府)は離着陸料を多く徴収できるというメリットもあります。

乗り継ぎに一晩かかる事もあるので、ハブ空港周辺には豪華な宿泊施設が建設されたり、立派な鉄道や高速道路といった交通インフラが建設されることもあれば、立地の良さから多国籍企業の支社が開設されて、世界ビジネスの拠点となる可能性も十分あります。

ハブ空港にも種類がある

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ハブ空港と言っても、様々な種類があります

貨物便のハブ空港離島便のハブ空港、また世界のハブ空港なんて種類もあります。

世界には貨物を重視した空港も数多く、アジアだと香港国際空港が貨物便のハブ空港にあたると思います。要は宅急便配送センターの国際空港版です。

世界各地からあつまる航空貨物を一度香港国際空港(貨物便のハブ空港)まで運び、その後、香港国際空港から、アジア各国まで運ぶような仕組み(もちろん逆もある)です。

また、離島便のハブ空港もあります。

日本だと鹿児島県・鹿児島空港沖縄県那覇空港が典型だと思いますが、本島と離島を結ぶフライトを集約する空港のことで、大抵の場合、離島便のハブ空港は一番発展している本島にあります。

そして、一番の肝は世界のハブ空港です。

世界の主要都市には必ずハブ空港が存在します。

そして、そのハブ空港は世界各地を結んでいる「世界のハブ空港」であります。

世界のハブ空港になると、世界の名だたる主要都市と経済的な繋がりが強くなり、もたらす効果は計り知れないものです。

日本の羽田空港や成田空港の目指すところは、この世界のハブ空港の頂と言えるのではないでしょうか。

世界のハブ空港に求められる要件

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単に資金をたくさん注ぎ込めば世界のハブ空港になる訳ではありません。

ここからは、世界のハブ空港に求められる要件を見ていこうと思います。

世界のハブ空港に求められる2つの絶対要件

  1. 航空管制的に優位な立地
  2. 地球儀を俯瞰した時の立地

航空管制的に優位な立地

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ハブ空港に発展するには、航空管制の技術が必要不可欠です。

その航空管制の技術を最大限発揮できるような立地にあることで多くの飛行機を受け入れることが可能になり、世界のハブ空港へ発展することができます。

具体的に航空管制的に優位な立地とは何なのかというと、空港周辺に高い山が無いこと、近くに海があること、長い滑走路を建設する土地があること、濃霧や強風が発生しないような場所であること、が挙げられます。

空港周辺に高い山があると、離陸後や着陸前に低空で飛行できる空域が限られてしまうので、発着数が制限されてしまう可能性があります。また高い山があると、風向が頻繁に変動したり、急激に天候が悪化することもあります。これらはいずれも、飛行機が離発着する上で支障となります。

一方で海が近くにある事は空港にとって好条件です。

極端に海風が吹くような場所ではダメですが、水辺が近くにあることで自由に飛べる空域が増えて、管制官が制約を課されることなく効率的に飛行機を誘導することができます。

また、人口密集地が無ければ緊急時の燃料投棄を速やかに実施できますし、ギアダウン(着陸に向けて車輪を降ろす動作)をする際に稀に起こる落氷の被害を軽減することができます。

現に世界のハブ空港は近くに海や湖があります。例えばジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)やロサンゼルス国際空港は海の間近にありますし、シカゴ・オヘア空港の近くには五大湖の1つ、ミシガン湖があります。

さらに、当たり前ではありますが、空港建設に十分な土地があることも大切です。

地球儀を俯瞰した時の立地

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世界から見て、その国がどのような立地にあるのか見ることも大切です。

日本は、アメリカ西海岸まで行くのにも10時間近くかかりますし、ヨーロッパに行くのにも12時間近くかかります。

このような立地の場所が、世界のハブ空港となり得るのでしょうか。

この答えは、下記記事にまとめてあるので興味のある方はぜひご覧ください。

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これからの日本の首都空港

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東京国際空港の発展無しに、首都東京の成長はありません。

空港はその国を支えていると言えます。また、空港は自国と世界を直接繋いでいる数少ない場所であると言えます。

空港が世界のハブ空港に発展するという事は、その国が国際的に価値のあるものであると証明されると共に、持続的な発展を約束したようなものです。

今日の日本には、騒音問題、落下物問題などの課題があります。航空機の安全運航を貫くために改善するところは改善すべきです。

しかし、身勝手な理由で空港の発展を阻害したり、恣意的な風説を流布して空港の発展を阻害する蛮行は万死に値します。

空港の発展が日本の未来を決めるという事を国民ひとりひとりが自覚しながら、航空事業への関心を高め、折衝を重ねれば、必ずいい未来が訪れると信じています。

いまその過程にいるという事は、言うまでもありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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